憲法を生かす市民の会・やまぐち)の巻頭言をシェアします。「飯田てつなり知事と造りなおそう!」#yamaguchi #kenpou RT @tiniasobu
2012/07/08
「憲法を活かす市民の会・やまぐち」月刊にゅーすれたあNo.179巻頭言
藤井郁子さんの文章を送っていただきましたので、シェアいたします。
飯田てつなり知事と創りなおそう!
憲法を活かす市民の会・やまぐち 共同代表 藤井郁子
維新のDNAとは?
19世紀中頃、近代の幕開け“明治維新の震源地”山口は歴史に華々しく登場する。
幕末を駆け抜けた志士たち、その中でも萩の吉田松陰や高杉晋作は、市内循環バスの
愛称(松陰先生・晋作くん)にも登場し、早世した彼等はすでに英雄として伝説化して
いる。
もとより歴史は勝者の記録である。明治維新から144年が経過した現在、近代化が
もたらしたものは何だったのかと改めて思う。私たちを取り巻く自然・社会環境は明
らかに痩せ衰えてきた。私たち自身の生命の時間はどうだろう。豊かでもなく幸福で
もない荒涼とした風景が広がっている。この虚しさはどこからやってくるのだろうか?
急激な近代化によって、資本主義の原理原則が地域社会を制する中心的規範となっ
た。自然の生態系に畏敬の念を抱き、その中で文化を育み、春夏秋冬循環型の産業を
営んできた人々は賃労働に吸収され、過疎と少子高齢化が地域社会の代名詞となった。
故郷は「食っていけない場所」であり、「有害鳥獣」が跋扈する荒地となった。勿論
例外もあるが、地域で生まれた子ども達が成長後も地域で生き続けることは、現在で
はほとんど不可能である。
山口県における人口減・人口流出は極めて高い。土木建築中心の公共事業が地域経
済を下支えした時代はほんの一時だった。日本列島はコンクリートで改造されたが、
地域の持続的産業は育たなかった。そこに原発交付金が入り込む隙があった。国策を
受入れる見返りに「予算」が増えるしくみである。防衛補助金も同様である。
働けど働けど、私たちの労働成果は金融資本に化け、地域の外に毎日休みなく一方
的に流出している。電気・ガソリン・灯油・ガスから、情報通信、衣食住にまつわる
生活用品までグローバル化・都市化されてしまった故である。
維新のDNA(遺伝子)があるとすれば、現在このDNAは私たちの体内で何を考えている
のだろうか?「富国強兵」と「殖産興業」を極めた挙句、侵略戦争を闘い、敗戦と同
時に自滅したはずのDNAは奇跡的に復活し原子力産業を生み出した。そして、私たち
は自身の生命の滅亡と文明の終焉の崖っぷちに佇んでいる。このDNAは多少なりとも
自省し進化しただろうか?もし山口に可能性があるとすれば、近代の「創りなおし」
DNAでなければならない。
革命家=飯田さん登場!
6月下旬、想像もしていなかったことが起きた。NPO法人環境エネルギー政策研究所
所長・飯田哲也(てつなり)さんが山口県知事選に名のりを上げたのである。眠ってい
た私たちのDNAがうごめき始めている。文明における三大革命=農業革命・産業革命・
情報革命に次ぐ「第四の革命」≪脱原発と地域エネルギー革命≫を政策の基本に据え
て、飯田てつなりさんは颯爽と私たちの前に現れた。私たちと「山口を創りなおす」
ためである。
これまで、明治維新のDNAを「変異培養」し続けている政府の下、山口県政は政府
の原子力政策の僕となって原発誘致を行い、かつ政府の対米従属政策の僕となって米
軍基地の再編強化を後押ししてきた。二井県知事はより弱い者に負担を強い、未来世
代へ手渡すべき貴重な自然生態系を、たかが電力や基地のために売り渡そうと画策し
てきたのである。さらに、守るべきものは電力資本の利益であり、優先されるのは日
米同盟の絆であり、地域住民の生命ではなかった。県政への怒りは、官僚上がりの歴
代知事を当選させてきた、私たち自身への歯がゆさでもあった。
飯田さんの立候補のニュースは県下のみならず国内外の脱原発を闘う人々を勇気づ
けている。大飯原発再稼働反対のデモは、5万人をはるかに超えて毎週官邸を取り囲
んでいる。
「原子力ムラ」を飛び出し孤独な闘いを続けてきた飯田さんは、もはや少数派では
ない。昨年の3.11福島第一原発事故以来、私たちのDNAは生命・文明の危機を目の当
たりにし、破滅への恐怖の記憶を深く刻み込んでいる。私たちのDNAは、原子力産業
に依存したこれまでの社会体制をもはや選び取ることはない。
やさしい関係が生まれる
経済と環境がともに良くなる≪グリーン経済改革≫を成し遂げるための方策を、方
策のままで終わらせてはならない。政治の力で下部構造が革命的に転換する様を、私
たちは見届けたいのである。
地域社会が息を吹きかえすと、人と人の関係に優しさと思いやりが生まれるだろう。
自然環境と共存しつつ、生活手段と生命の安寧が地域で保障され、弱くとも胸を張っ
て生きることができる「そこそこの社会」は充分に素敵だ。そして次世代が生まれ続
けることは、限りある個の生命の時間を孤独から救い出す。10万年先の子孫のために、
使用済み核燃料を山積みしたまま生命を閉じてはいけないのだ。
飯田知事と山口を創りなおす
私たちヒトはエネルギーを多量に消費する社会を築いてきた。グローバル化・情報
化した現代社会では、どのようなエネルギーで社会を形作るかは極めて重要な「政治」
なのである。≪脱原発と地域エネルギー革命≫により地域経済が循環し始めると、雇
用が増え定住化が実現できる。年齢別人口にバランスが生まれ、地域に持続可能性が
復活する。≪脱原発と地域エネルギー革命≫を成し遂げられるのは飯田さんだけと確
信している。なぜなら、すでに数多くの政策を制度として形づくり、実績を積み重ね
つつあるからだ。
保守王国に奇跡が生まれようとしている。この奇跡に立ち会える私たちには未来があ
る。
私たちは、飯田さんと共に「本当に豊かな21世紀型の地域社会」を共に創りたいと
心から願っている。