高校でお話)8/9(木曜日)防府商業・商工高校で出前講義をさせていただきます
2012/07/04
山口県内の高校に行って、大学の講義のぶっとんだ雰囲気を90分で味わっていただ
く、という企画です。
これは高校にお送りした原案で、最後の大学の宣伝めいた部分などは削られるかも
しれません。でも、アットホームな小さい大学で、ていねいな指導をしているんです
よー。
タイトル:
世界はあなたが想像するより多彩です――アフリカとスペインの旅から
あらまし:
私が初めて訪れた外国は、アフリカ大陸でした。そして、コンゴ民主共和国の大き
な森の中の人口100人弱の村に延べ2年ほど滞在して、人々の暮らしと自然環境との関
係を勉強しました。話した共通語はスワヒリ語です。村長さんの養子にしていただき、
辞書も文法書もないソンゴーラ語を勉強しました。その後、フランスのパリの研究所
に2年ほど滞在し、最近は山口県と姉妹関係にあるスペイン・ナバラ自治州に五ヵ月
滞在しました。風力発電などを導入して電力の自給率をゼロから70%以上に押し上
げるまでのナバラの人たちの取り組みについて学びました。スペイン語を話して暮ら
し、ヨーロッパ最古の言語であるバスク語の入門クラスに入りました。英語(や中国
語や韓国語)だけに留まらない、そんな多言語を使って世界の人々と交流する中で学
んだ、自然と共存する知恵についてお話してみたいと思います。
レベル:
聞いたこともない言語の歌などが次々に出てくるカルチャー・ショックを除けば、
1年生でも難しいことはないと思います。逆に、英語さえできれば国際化に対応でき
ると思いこんでいる方には、頭の中の仕切りをいくつも取り外していただかなければ
なりません。
ねらい:
アフリカやスペインでの経験を他人事とおもわず、自分たちの足下から日本の近未
来をみつめなおす機会になればと思います。そして、英語だけでなく、中国語や韓国
語、そしてスペイン語も学べて交換留学などの制度も充実している、山口県立大学の
魅力を知っていただければと願っています。
講師紹介
あんけい・ゆうじ。富山県生まれ。京都大学理学博士。山口県立大学国際文化学部
教授。地域学専攻。アフリカ・沖縄・山口などで地域研究。
主な編著書に『やまぐちは日本一』『続やまぐちは日本一』(2004、2006、弦書房)
、『西表島の農耕文化』法政大学出版局(2007、安渓貴子らと共著)、『調査される
という迷惑』みずのわ出版(2008、宮本常一と共著)、『奇跡の海』南方新社(2011、
加藤真らと共著)、『奄美沖縄環境史資料集成』(2011、当山昌直らと共著)など。
受賞歴に民族学振興会から渋沢賞(1984)、環境調査センターから環境賞・優良賞(
1989)、沖縄文化協会から沖縄文化協会賞・比嘉春潮賞(1995)、沖縄タイムス社か
ら沖縄タイムス出版文化賞(2012、当山昌直氏と共同受賞)など。