留学生はいま)ソウル・マジャン市場に遊びにいきました #korea #seoul #YPU RT @tiniasobu
2012/02/14
ソウルに留学中の由紀さんからのメールです。フィールドワークに談笑するゆとり
がでてきました。
安渓先生、アンニョンハシムニカ?
久しぶりに最高気温がプラスになった昨日、マジャン市場へ手土産を持って遊びに
行きました。
遊びに行く、という感覚になるのは市場で出会った方々のおかげでしょうか。
到着したときは、腹ごしらえしに出かけたり、まだ作業を続けるアジョッシ、近く
のお店に入って仲間同士のおしゃべりに花を咲かせるアジュンマたちがいました。
前回も顔をのぞかせて、写真を撮らせていただいたお店へ行くと、「お、また来たね。
」と覚えてくださっていました。
「今日は、実際にネジャン(私は大腸を買いました)を買おうと思ってるんです。」
というと「それならこの隣で買いなさい。おーいお嬢ちゃんが売ってくれってよ」と
安く入手できるよう交渉してくださいました。
おかげで私はソコプチャン(牛のホルモン)を1キロ、日本円ならば500円ほどで購入
しました。
そのあと、実際にどのように調理すると美味しく食べられるのかお店のハルメ(お
ばあちゃん)に聞いていると、
作業場に集まっていた方々も話に興味をしめしてくださり、いっぺんに市場のインタ
ビューまですることができました。
まずマジャンで30年働いているハルメ
インタビューの最中に「こっちへ(中の作業場)来て座りなさい。」と招いていただ
き、隣に座ってお話を聞くことができました。
私「いつも、何時に起きて何時まで働いているんですか?」
ハルメ「朝の3時半に起きて、夕方4時まで働いて、それからごはん食べて9時には寝
るよ。」
私「市場で働きながら感じる幸せは何でしょうか?」
ハルメ「お金を稼いで、子供たちに飯を食わせて、生きていくこと。」
私「市場で働く人の特徴はありますか?」
ハルメ「親切で情があって、みんな仲が良いところ。」
「今日は暖かくなったから厚手の上着を一枚脱いだんだよー。」
そしてお昼に食べたメニューや手作りの味噌を披露してくださりながら
世間話もしました。
私「ハルメが一番好きなおかずって何ですか?」
市場にいたみなさんまでも声をそろえて「キムチだよ!そうでしょう?」
いまは親戚が離れて暮らしているためキムジャン(一年に一度、その年のキムチを
一斉に漬け込む行事があります。)は近所の友達と
なさっているようです。
近年、このキムジャンを行わなくなった家も増えていますが、やはり自分の家庭の味
があってそれが一番美味しいとのこと。
私「牛肉の好きな部位はどこでしょうか?」
ハルメ「トゥンシム(ロース)。美味しい食べ方?鉄板で焼く。それがシンプルで一
番美味しいよ。カルビもそう。コプチャンはいくつか調理法があるけどね。」
それからハルメの普段の生活や、生きていく上で大事にしているもの、ここマジャ
ン市場の変化、韓国と日本の関係についても
たくさんお話をうかがう事ができました。
マジャン市場は15年ほど前まで、すぐ隣に工場がありそこで屠殺を行い、各部位に
分けられて運ばれてきていたそうです。
いまはソウル市内に工場はなく、郊外にある工場からやって来ているようです。
工場の跡地には学校や高層アパートが建てられていました。
今回ハルメをはじめとし、淹れてくれたコーヒーを一緒に飲みながら「うちの息子
の結婚相手にどうじゃろうか?」と
言っていたソンジ(牛の血の塊)専門店のアジョッシや、手土産と一緒にポーズをとっ
てくれと頼んだら「来ることがわかっていればキメてたのに!」と恥ずかしがり、仲
間からはやされていた牛の頭の肉を解体する業者のアジョッシにも、談笑しながら貴
重なお話をきくことができました。
続きは帰国後の卒業論文でできればと思います。
またインタビューをする際、相手に「期待」していた回答と違っていたときに多少
がっかりしてしまった私が、今回の反省点です。
キレイな、模範回答ばかりがでるわけではないことを実感しました。ありのままを受
け止めることが大切ですね。
さて帰宅後、さっそくコプチャンを調理してみましたが、とても新鮮でぷりぷりし
ていて美味しかったです。
実家でもときどき食べていましたが、直接市場で交渉して買うということは今回が初
めてでした。
何メートル分かあるコプチャンを脂を落とすために洗い、短く切り、下味をつけて・・
・
私はマジャン市場に行くたびに新たな発見をし、興味をそそられています。
700日以上のソウル生活は、語学だけではない人とのつながりを楽しむことができた
日々でした。(もちろん大変なこともたくさんありますが)
来月の帰国へ向けて、そろそろまとめの時期に入ろうとしています。
コプチャン料理の結果報告も兼ねて挨拶をしに、あと1回は通いたいです。
それでは、また。
アンニョンヒ ゲシプシオ。
李由紀