来年度の新入生にお勧めの本)とりあえず薄いの3冊選んでみました 宮本常一・高木仁三郎・朝河貫一 RT @tiniasobu
2011/12/25
山口県立大学の国際文化学部では、来年度の新入生にこんな本を読んでみたら と
勧めるということをすることになりました。ただし、文庫や新書程度で、値段の高く
ないものからとりあえず3冊を、と言われています。
それでは、安渓遊地の推薦を3冊書きます。
世界を見るための3冊
1.宮本常一、1984『忘れられた日本人』岩波文庫、735円
お金はなくても、有名でなくても、庶民の暮らしの中に未来に受け継ぐべき確かな
宝物があることを教えてくれます。こんな人たちは、あなたのまわりにもおられずは
ずです。
2.高木仁三郎、1999『市民科学者として生きる』岩波新書、861円
原発震災のあと雨後の竹の子のようにあらわれた「専門家」たち。ついだまされそ
うになる自分の根っこと向き合うために。安渓が、ケニア山のふもとの村で深夜まで
ろうそくをともして読みふけった本。
3.黒田日出男、2003『龍の棲む日本』岩波新書、新刊が手に入らないみたいですが、
amazonでは、中古が520円からあります。
中世の日本人が目にしていた日本地図を再検討することで、龍が護る国として想念
されていた日本と、その異境にあった国々が浮かび上がってきます。辰年にちなんで。
4.阿部義雄、2004『最後の「日本人」――朝河貫一の生涯』岩波現代文庫、1050円
3が手に入らない人のために。結局みんな岩波書店になってしまったのでし
たが。
ヨーロッパの歴史学に深い衝撃を与えた日本人。アメリカにあって、日本の外交を
厳し
く批判した勇気ある学者の姿にうたれます。
世界に発信するためにあと2冊
5. William Strunk 著 The Elements of Style. Coyote Canyon Press; Original版
(2007/9/30) Amazon で 327円 全部で52頁しかありません。
すっきりした、よい英語を書くための本です。
”Buy it, study it, enjoy it. It’s as timeless as a book can be in our age of
volubility.” (なにかと厚い本が多い今どき、一瞬でよめちゃう本。買って学んで
楽しんで!)― The New York Times
6. 本多勝一、1982『日本語の作文技術』 朝日文庫
読んだ人を動かす「実用文」を書いたことがないあなたへ。
この本を100頁まで読めば、それだけであなたの日本語は確実に良くなる。
推薦者
公立大学法人 山口県立大学・国際文化学部
地域学研究室 安渓遊地(あんけい・ゆうじ)