現場の声)きちんとした安全教育はなく、「被曝」という意識すらなかった――島根と敦賀での経験 #genpatsu #shimane #tsuruga #hibaku RT @tiniasobu
2011/11/28
きちんとした安全教育はなく、「被曝」という意識すらなかった
「原発反対」-これ以上被曝者を出さないために
梅田隆亮、元原発労働者
私は1979年に島根原発と敦賀原発で働きました。炉心のすぐ近くで働
き、被曝しました。
きちんとした安全教育はなく、「被曝」という意識すらありませんでした。
線量計は配布されましたが、ビービー音が鳴って仕事にならず、放射線の低い
所にいる人にあずけて作業しました。現場監督は見て見ぬふりでした。島根原
発では普通の作業着で、マスクもつけずに作業しました。
放射能の怖さは、時間がたってから現われます。私は鼻血と全身倦怠に悩ま
されました。「ぶらぶら病」と呼ばれ、働くのが困難になります。診断が難し
いため、周囲の人から理解されず「怠け者」扱いされます。
私は2000年に心筋梗塞を発症し、働けなくなりました。私のように労災
申請する作業員は少なく、病気になっても泣き寝入りがほとんどです。
かつては原発に対して「賛成」でも「反対」でもありませんでした。原発で
働いて給料をもらったというためらいがあり、言いづらかったのです。
しかし、これ以上被曝者を出さないために、「原発反対」という考えに変わ
りました。福島原発事故が起き、多くの作業員が被曝しています。その多くは
下請け労働者です。心筋梗塞で亡くなった方もおられると伺っています。原発
はすべて廃炉にすべきだと思います。
3つのことを提案します。
1 原発作業員の健康相談窓口をつくってほしい。これまで原発で働いて被曝した人
は40万人以上と言われています。しかし、労災を申請した人はほんのわずかです。
ですから、作業員の「いのちの電話」のような制度があったら良いと思います。
2 安全教育や放射線管理が適切になされているか、できるかぎり第三者に見えるよ
うにする。私の場合もそうですが、きちんとした安全教育をしていないのに、元請会
社は適切におこなったと主張し、水掛け論になるのを防がねばなりません。
3 原発労災の対象疾患に、心筋梗塞を入れてほしい。原爆症では心筋梗塞が認定対
象となっていますが、原発労災では対象になっていません。原爆も原発も本質的には
同じなので、病気についても同じように認めるべきだと思います。また、内部被曝の
影響を正しく評価することが大事だと思います。
最後に、私の労災申請について申し上げます。11月2日に再審査請求「棄
却」の裁決書が送られてきました。私は敦賀原発の現地調査を再三求めていた
のですが、敦賀原発の現地調査を何もおこなわないまま、裁決が出されまし
た。このことに強く抗議します。
32年前に私が働いた敦賀原発1号機は、今回事故を起こした福島原発と同
じタイプの原子炉です。当時から問題のある原子炉で、ボロボロの配管があち
こちにありました。津波がなくても地震があれば、福島のような事故が起きて
もおかしくありません。「なぜ敦賀原発の現地調査をしなかったのか」、きち
んと説明してほしいです。
以上、たんぽぽ舎 : 地震と原発事故情報242からの引用でした。
http://www.labornetjp.org/news/2011/1321886425674staff01
引用者、現場の声に耳を傾けることこそがもっとも大切なすべての出発点だと思って
いる、安渓遊地でした。