玄海老朽原発)タイタニック号のようにもろくも割れる脆性遷移温度上昇の危険とのんきな町長 #gennkai #taitanic #takagikikin #cnic RT @tiniasobu
2011/07/14
玄海原発一号炉の脆性遷移温度(これより下がると氷山の海でのタイタニック号のよ
うにバリンと割れる危険がある温度)は98度にも急上昇して、日本の原発で一番高
くなっている。建設当初はマイナス16度だったのに……
http://cnic.jp/files/roukyuuka20110312.pdf
ということを保安院も知らされていなかったというのです。
これについての質疑や議会での対応は以下に載っています。
http://d.hatena.ne.jp/genpathu/20110330
「上関原発と玄海原発」という報道番組(テレビ朝日・報道ステーション)の中で
http://www.youtube.com/watch?v=f4QZ-IE_8wY
7分40秒あたりから玄海町の岸本英雄町長が、こう言っています。
「うちが一番安全な場所に、安全な状況で作られているんで、
うちが回さないとよそも回しづらいだろうな、という気持ちはあります。
福岡市民を含む玄海原発再起動はやめての申し入れ
http://www.youtube.com/watch?v=z1mlmFS0j4o
名古屋の大沼淳一さん(http://bunamoutainski.asablo.jp/blog/)が送ってくださったメールの中にも、このことがわかりやすく書かれていました。
公開フォーラム「福島原発の真実」
公開フォーラムのほうは、会場が日本科学未来館(宇宙飛行士の
毛利氏が館長だそうです)だったのですが、300人収容のホールに
収まりきらない参加者数でした。インターネット中継には1万数千人が
アクセスしたそうです。
田中三彦さんの福島1号機で何が起きているのかについての分析は
なかなかの力作でした。公表されているわずかなデータから、
東電や保安院の発表である「津波によって全電源喪失、メルトダウン、メルトス
ルー」
のシナリオの矛盾点を突き、
津波以前に地震で圧力容器につながる配管のいずれかが破断していた可能性が
高いことを示しました。日立で原発の設計にかかわっていただけに、
とても具体的かつ詳細な分析でした。
2号機、3号機でも同様に地震でそうとうな損傷を受けた可能性が高いが、
生データが公表されず、粉飾されたデータだけなので解析は難しいということで
した。
この期に及んでも、彼らは「地震には耐えたが想定外の津波にやられた」という
ストーリーで押し通そうとして、相も変わらぬ隠ぺい工作を続行しているようで
す。
玄海原発1号炉の老朽化についての研究も重要な成果を上げていました。
原子力資料情報室の上澤さんの発表です。
脆性遷移温度が98度と、とてつもない上昇を示しているというのです。
圧力容器は厚さ15センチのステンレス鋼ですが、核分裂反応によって発生する
中性子線を浴び続けて、鉄の格子に空隙や不純物の固まった部分ができます。
これが積み重なると、鋼鉄は脆くなっていくのですが、その指標となるのが
脆性遷移温度です。運転開始時はマイナス16度ですが、次第に上昇していきま
す。
圧力容器内に置かれた試験片(テストピース)が時々とりだされて、脆性遷移温
度
が測定されるのですが、98度というのは、54基の原発の中でも最も高い温度で
す。
原発は300度超の高温高圧で運転されますが、地震などの理由で緊急停止すると
きに
急激に温度が下がります。そして脆性遷移温度より低くなったときに、
ガラスのように崩壊する脆性破壊が起きる可能性が高いのです。
タイタニック号が沈没した原因も劣悪な鋼材が使われたために、
脆性遷移温度が高く、氷山に衝突した衝撃で脆性破壊を起こしたと考えられてい
ます。
40年を超えて運転が強行されている敦賀1号機や美浜1号機はもちろんですが、
玄海1号機(35年経過)は、真っ先に運転をやめて廃炉にすべき原子炉のようで
す。
このことを原子力安全保安院に言いに行ったら、彼らはこのことを全く知らな
かったそうです。
九州電力が報告していなかったようですが、まったくひどい話です。
(数日前の朝日新聞に、共同研究者の井野さんのコメント付きでこのことが報道
されていました)
地震学者の石橋克彦さんの福島原発を襲った地震動の分析も興味深い内容でし
た。
菅政権が打ち出したストレステスト(内容不明)などよりも
耐震設計審査指針を抜本的に再改定し、耐震バックチェック評価のやり直しをす
るべきだ
と述べました。なにしろ、日本列島は地球上でもっとも原発建設に適さない
地震の巣の上に位置しているからです。
はったりの全くない、実直なお話しぶりはとても好感が持てました。
フォーラムが終わって、打ち上げ会に参加したのですが、そこでの石橋さんの話
しぶりは、
誠実そのもの、心底から原発をもっと早く止めなければいけなかったという
科学者としての後悔と責任感を強くお持ちであることがわかりました。
是非一度、名古屋にお招きして講演していただきたい方です。
※会場まで、国際展示場駅から約3kmを歩いて行きました。広大な埋め立て地
に、
50年前のマンガ本に出てくる未来都市のような、奇抜な建物が林立しています。
さぞや空調に電気を浪費していることでしょう。
広い道路を歩いている人は皆無でした。たしかに快晴で、じりじりと太陽が照り
つける
難しい日ではあったのですが…こんなバカな建築物を建てて、危うい原発を動か
しながら
偽りの繁栄を謳歌してきた、それがこの国のサクセスモデルだったのです。
以上で大沼さんからの引用終わります。