5/6 公開講義)井原勝介さんから「基地被害から生活を守る」のレジュメが届きました
2011/05/02
当日プリントして配るものです。
基地被害から生活を守る
2011年5月
「草の根ネットワーク岩国」
代表 井原勝介
(福島原発の事故について)
産業や文化なども含めて、人々の生活環境を根底から破壊。
今後数十年間にわたって、人が住めないおそれ。
取り返しのつかない事態
→ 背景にあるのは、政治の過ち
原発と基地問題の共通性
国策だからと、民意を無視して、お金と力で強引に進めてきた。
今の政治が民主主義とは名ばかり、いかに欺瞞とごまかしに満ちているか
<岩国に関する米軍再編等の概要>
○ 日米ロードマップの概要(2006年5月)
① 空母艦載機59機の厚木基地から岩国基地への移駐
② 空中給油機12機の普天間基地から岩国基地への移駐
③ 岩国基地のCH53Dヘリ8機のグアムへの移転
④ 海上自衛隊航空機17機の厚木基地への移駐
これに伴い、岩国基地の兵員・家族が約4千人増加、約1万人に。
○ 滑走路の沖合移設事業(1997年~2010年)
・事業主体 防衛省
・目的 滑走路の1キロ沖合移設により、騒音や事故の危険の軽減
・事業費 約2,400億円
・面積 570ヘクタール → 約800ヘクタール(1.4倍に)
○ 愛宕山地域開発事業の概要(1997年~)
・事業主体 山口県住宅供給公社 山口県と岩国市が債務保証(2:1)
・目的 滑走路沖合移設の埋立て土砂の供給、跡地に大規模な住宅団地の造成
住宅1,500戸、人口5,600人、福祉、教育施設も整備
・面積 約102ヘクタール
・事業費 約850億円
<なぜ、岩国市民は納得しないのか>
一に、生活を破壊され、
二に、だまされ
三に、民意を無視し、アメとムチで抑えつける、から
1.負担の大きさ
① 厚木からの空母艦載機59機の移駐によりジェット戦闘機約120機を擁する
極東一の航空機基地に。
② 市街地の真ん中愛宕山に、広大な米軍住宅・米軍基地の出現(約75ヘクター
ル、東京ドーム15個分に相当)
2.だまされ
① 安全安心を目的とした滑走路の沖合移設(5月29日運用開始)が、米軍再編
の受け皿に
⇒山口県による沖合移設埋立承認の取消を求める裁判(2008.2)
② 沖合移設への土砂の提供と良好な住宅団地の造成を目的とした愛宕山開発事業
が突然中止、「米軍住宅化」が隠されたまま、事業の廃止手続きが強行され、そのま
ま、防衛省に売却されようとしている。
⇒ 国土交通省を相手に事業認可取消の取消を求める裁判提起(2009.
7)
*「密約」が発覚
岩国市が一部公開した愛宕山開発に関する「市長協議報告書」(2008.4)に
よると、防衛省から次のように迫られ、岩国市長が了承。
「水面下でもいいから、民間空港をやるためには愛宕山への米軍住宅建設を了承して
欲しい。さもなくば、民間空港はストップするぞ」
⇒ 「市長協議報告書」の公開を求めて裁判を提起(2009.9)
3.民意を無視され
住民投票(2006年)で明確な意思(反対約90%)
庁舎補助金のカットという露骨なアメとムチ
⇒ 爆音訴訟(2009.3) 原告団654人
4.政権交代後の状況
2010年度防衛省予算に関連経費計上。
*空母艦載機部隊移駐関連 270億円
内、愛宕山開発跡地の買取経費 199億円
旧政権の手法に対する検証も行われず、そのまま従来の方針を踏襲する。
⇒ 市民の不信と怒りが高まる。
・8月21日「愛宕山開発跡地見守りの集い」が始まる。
毎月3回、「1」のつく日に開催
・9月3日 防衛省から愛宕山の利用計画案が示される。
米軍住宅270戸、全体の1/4を愛宕山に建設
運動施設(野球場、トラック等)の整備
・4月 東日本大震災復興支援として、愛宕山に仮設住宅建設を求める提言
○ 政策の進め方
① 政策の必要性に関する合理的な根拠(政策の合理性)
② 徹底した情報公開と説明、影響を受ける住民の理解(民主的手続き)
⇒ 国策といえども住民の理解なくして実施すべきでない。
―原子力発電所と米軍基地―
その必要性に関する合理的根拠を欠き、住民が反対する。
真実を隠し、お金で住民を分断し、選挙をねじ曲げ強引に実施する。
→ 目先の利を優先して、地域や子供達の未来を奪うことに
「民意」は、ねじ曲げるものではなく、尊重するもの
今後長期的展望の中で、日本の平和をどのように維持していくのか、エネルギー政
策をどのように転換していくのか、国民が主体的に考えるべきとき。
「平和で平穏な生活」が多くの人に共通する「幸せ」であり、政治の目指すべきも
の。憲法の基本的人権である。
その実現のためには、市民が声を出し行動し、真の民主主義を勝ち取ること。
○ 滑走路沖合移設と愛宕山開発
以上、引用は
公立大学法人 山口県立大学
現代GP承継・地域共生授業担当
教授 安渓遊地(あんけい・ゆうじ)
〒753-8502 山口市桜畠3丁目2番地1号
山口県立大学国際文化学部