文部科学省)子どもの年間被ばく限度を1から20ミリシーベルトへ引き上げへ #monbukagakusho #radiaoctivity #miyazawakenji #ICRP RT @tiniasobu
2011/04/13
2010年3月28日の読売新聞 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=38723
放射線防護基準などを決める国際組織・国際放射線防護委員会(ICRP)は、福
島第一原発事故に関連し、同原発の周辺住民が居住し続ける場合、その地域で浴びる
放射線量限度を当面年間20ミリ・シーベルトに引き上げるよう日本政府に求める声
明を発表した。
(2011年3月28日 読売新聞)
これ(外圧による規制緩和の要求?)を受けて、内閣府の安全委員会は、次のように
動く。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110406-00000145-mai-soci
<福島第1原発>累積20ミリシーベルト退避検討を…安全委
毎日新聞 4月6日(水)22時21分配信
福島第1原発事故について、内閣府原子力安全委員会は6日、累積の被ばく放射線
量が20ミリシーベルトを超える可能性のある住民に対し、屋内退避や避難などの防
護措置を講じるよう政府に伝えたことを明らかにした。事故が長期化しており、現状
が続けば、何も指示が出ていない30キロ以遠でも数週間で20ミリシーベルトを超
える可能性があるといい、政府に新たな対応を求めた形だ。
安全委の防災指針では、外部被ばくの予測が10~50ミリシーベルトだと屋内退
避、50ミリシーベルト以上だと避難としている。現在、福島第1原発周辺では半径
20キロ以内は避難、20~30キロは屋内退避の指示が出ているが、屋内退避が長
期化して生活に支障が出始めている上、30キロ以遠でも累積の放射線量が10ミリ
シーベルトを超える地点が出てきた。
安全委は国際放射線防護委員会が緊急時の被ばくについて、20~100ミリシー
ベルト以内と定めているのを踏まえ、下限の20ミリシーベルトを基準に採用した。
代谷(しろや)誠治委員は「防災指針は事故発生後の短期間の措置を想定しており、
長期化によって実情に合わなくなった。わずかでも超えてはならないという数字では
ない。避難などの範囲をどうするかは行政が決めることだ」と説明した。【西川拓】
引用終わり
子どもたちの方が細胞分裂が活発なので、放射線によるDNA損傷の悪影響を受け
やすく、平均的な余命も長いため、より厳しい基準が適用されるべきなのだが、
文部科学省は、児童生徒の年間被曝許容量を20ミリ・シーベルトまで許容すること
を検討中、という。4月10日、読売新聞がまず報じた。選挙報道に埋もれて小さい
扱いだが、この記事がTWEETされている回数は、今見たら2500以上。ネット上で
はかなりの注目を集めている。
以下引用
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110409-OYT1T00912.htm
校庭活動に放射線基準…文科省、福島県に提示へ
文部科学省は、校庭など、幼稚園や学校の屋外で子供が活動する際の放射線量の基準
を近く福島県に示す方針を固めた。
同県内では、一部の学校で比較的高い濃度の放射線量や放射性物質が検出されてお
り、体育など屋外活動の実施可否について早期に基準を示す必要があると判断した。
同省などによると、基準は、児童生徒の年間被曝許容量を20ミリ・シーベルト(
2万マイクロ・シーベルト)として、一般的な校庭の使用時間などを勘案して算定す
る方針。原子力安全委員会の助言を得た上で、大気中の線量基準などを同県に示す。
基準を超えた場合、校庭を使用禁止にし、授業を屋内だけに限るなどの措置をとる案
も出ている。
(2011年4月10日03時19分 読売新聞)
引用終わり
子ども達も20ミリシーベルトまで浴びてもがまんの限度内というのだが、これは、
従来の原発労働者の被ばくの程度に近づくことを意味している。
以下、http://karinnkarin.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/20-f8b3.html の「Karinnkarinのブログ」からの抜粋である。
20ミリシーベルトといえば、原発労働者の年間の許容被曝量。この数値に驚愕した
人も多いのではないだろうか。
手もとに、一つの資料がある。
;原発被曝労災が明らかになった人の被曝線
量だ。
実名で公表されているので紹介したい。
□嶋橋 伸之
;1993年5月、静岡県労働基準局磐田署に労災申請。 
;実名
での最初の認定。(認定2件目)。
;中部電力浜岡原発勤務、 計測装置点検作
業。81年3月から89年12月まで8年10ヶ月勤務して、50.63ミリシーベルト被曝。R
32;慢性骨髄性白血病により91年10月20日死亡。29才。94年7月労災支給。
□横山 豊
;同上。1~4.5シーベルト被曝。54歳。生存。
;JCO東海事業
所臨界事故で水抜きの突撃隊が作られたが、当時、 「針が振り切れた」というのは1
00ミリーシーベルトを超えたことをさした。
□長尾 光明
;2003年1月、福島県富岡署に労災申請
;福島第一、 浜岡原
発、ふげんで被曝労働。
;77年10月から82年1月まで4年3ヶ月従事。70ミリシー
ベルト被曝。
;多発性骨髄腫。2004年1月労災支給。
;すべての情報開示
と完全な補償を求め雇用主の石川島プラントや 東電に話し合いを申し入れたが拒否
され、04年10月7日、 「原子力損害の賠償に関する法律」に基づき4400万円の損害賠
償を求める裁判を東京地裁に提訴。
;2007年12月死亡。82歳。2010年 2月、最
高裁上告棄却。敗訴確定。
□喜友名 正(きゆな ただし)
;淀川労働基準監督署に労災申請。
;泊、
敦賀原発など全国7ヶ所の原発で97年9月から6年4ヶ月間、 非破壊検査に従事。99.7
6ミリシーベルト被曝。
;悪性リンパ腫により2005年3月死亡。53歳。
;20
05年10月、 遺族は労災を申請。2006年9月却下。2007年、不服申し立てにより厚生労
働省で「りん伺」(上級官庁に伺いを立てる)決定。 2008年10月労災認定。
一度に大量の被曝をしない限り急性障害は現れない。しかし、この資料によれば、
累計50~70ミリシーベルトで、何年か経ってから障害が現れているのだ。被曝労働者
も、おおむね50ミリシーベルトを超えたあたりから 体調が悪くなると言われている。
ちなみに、一度に大量の被ばくをしてなくなった例。
□大内 久
;1999年9月30日、JCO東海事業所臨界事故。
;16~20シーベル
ト (16,000~20,000ミリシーベルト)被曝。35歳。死亡。
□篠原 理人
;同上。6~10シーベルト被曝。39歳。死亡。
以上、抜粋して引用(大量被ばくの2例を最後に移した)。
この件で文部科学省のサイトに載っているかと探してみたが、まだ検討中らしく公
開はされていない。そのかわり、
新学期を迎える中学校,高等学校段階の生徒の皆さんへ 菅内閣総理大臣・高木文部
科学大臣からのメッセージ(平成23年4月6日)
というのを読んだ。YouTubeもある。
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1304684.htm
中学・高校生向けのものは、宮沢賢治さんの「銀河鉄道の夜」まで引用して感動的
なしあがりである。
学校関係者向けには、次のような文章が発表されている。
以下同ホームページから抜粋
こうした国難に直面しますと、正に「子どもは国の宝」ということを実感いたしま
す。これからの新しい日本社会を担う、この子どもたちを、どうか悲しみの淵(ふち)
から救い、教え導いてあげてください。
これからの新しい日本社会を担う、この子どもたちを、どうか悲しみの淵から救い、
教え導いてあげてください。 学業をおろそかにすることはできませんが、子どもの
笑顔を取り戻すために、スポーツ、文化活動、ボランティア活動、できることは何で
も工夫して取り入れていく必要があるでしょう。文部科学省としても、平時以上に柔
軟に、皆様の取組を支援していく所存です。
抜粋終わり
この文章は「熟議」の鈴木寛文部科学副大臣の作文であるという。YouTubeでの広
報もされている。
子どもたちを守るという美しい言葉と、原子力産業の圧力による子どもたちの被ば
く容認。
あまりにも大きなギャップ。
安渓遊地は、あるブロガーの次の意見に同意。
「生徒や児童の安全が確保できないなら、そして、強くいいたいのは、無法な基準
まで作って学校という機能と義務教育制度を維持するくらいなら、学校そのものを県
外に移すか、戦争中のように学童疎開するか、閉校すべきでございます。」
http://dokugaku.info/2011/04/20-1.html
国や政府が子どもを守らないなら、不登校という選択も悪くない。まずは子どもの
命を守ることも考えなければならない。
一昨日訪れた山口県上関町の祝島では、子ども達が港で楽しそうに遊んでいた。福
島からの子どもを受け入れる用意があるが、まだ申し込みがないという。
今日から私の担当する大学の授業が始まる。