大学と原発事故)教職員・学生向け講演会を中止した愛媛大学の場合を例に @tiniasobu #genpatsu #ikata #kaminoseki
2011/03/21
福島第一原発での事故をめぐって、
愛媛大学では、以下のような講演会を企画されました。ところが、地域の人は入れな
いという会であったたため、環境・平和研究会では、メーリングリストで議論を重ね
て、その理由を問う質問書を送りました。その結果、講演会そのものが中止というこ
とになりました。
地域に開かれた大学としてできること、なすべきことを考えるにあたって、興味深い
事例ですので、記録にとどめておきます。
留学生向けのものは、愛媛大学内の講師によりすでに開催されたとのことです。
(要旨をこのページの末尾に引用)
以下引用(すでに消されていますが、ウェブの記録より)。
タイトル:【全職員向け】「福島第一原発事故の技術的解説」の講演会開催について
教職員各位
愛媛大学
総合情報メディアセンター
川原稔
「福島第一原発事故の技術的解説」の講演会開催について
東日本巨大地震の影響で福島第一原子力発電所(福島原発)は深刻
な事態となっています。マスコミ等で連日報道されていますが,誤っ
た解説が横行しており,正確な情報と状況把握が求められるところで
す。
そこで,伊方原子力発電所の運営を実際に行なってきた四国電力株
式会社のエンジニアの方に,福島原発でいま何が起こっているのかを
技術的な面から解説して頂くことにしました。下記のように開催しま
すのでお知らせいたします。
日 時:平成23年年3月23日(水) 14時~15時30分
場 所:愛媛大学 総合情報メディアセンター 1階メディアホール
講演者:四国電力株式会社
原子力本部 原子力保安研修所
教育訓練高度化担当リーダー
松井隆氏
対象者:愛媛大学 教職員・学生
対象者以外の聴講はご遠慮頂きますので,
職員証・学生証を携行してください。
愛媛大学御中
2011年3月21日
「福島第一原発事故の技術的解説講演会」の開催についての質問書
来る3月23日、貴学で四国電力株式会社原子力本部原子力保安研修所の松井隆
氏を講師に迎え、福島第一原発事故の技術的解説についての講演会が予定されて
いることを、貴学ウェブサイト上の案内で知りました。
私たちは大学に関係する者として、この講演会の対象者が愛媛大学教職員・学
生に限られており、「対象者以外の聴講はご遠慮頂きますので、職員証・学生証
を携行してください」と但書きが添えられていることに、強い懸念を持っていま
す。
大学は地域社会に開かれた存在であるべきです。福島第一原発事故というすべ
ての人にとっての重大な関心事について、伊方原子力発電所をもつ四国電力の社
員が講演するのですから、地域住民をはじめすべての人に公開すべきです。
愛媛大学は「地域から信頼され、熱い支持と期待を受け、地域の要請に応え地
域や産業の発展に貢献することや、地域のために貢献する人材を育成することが
地域にある愛媛大学の存在意義であり使命だと考えています」と述べておられま
す(大学ウェブサイト「愛媛大学の特長・取組」より)。
未曾有の災害時の今だからこそ、愛媛大学は地域社会での公共財の役割を果た
すべきではないでしょうか。
会場に入りきれないほどたくさんの人が詰めかけることをご心配ならば、別の
会場にビデオストリームを流すなど、いくらでも手段はあるはずです。
ついては、以下のご質問にお答えくださるようお願いします。
1.対象者を愛媛大学教職員・学生に限っている理由は何ですか。
ご回答は3月22日(火)午後5時までに、(オリジナルには、メールアドレスを記載)
までお
願いいたします。
以上。
環境・平和研究会共同代表
ご参考までに、愛媛大学でもよおされた、留学生向けの英語の説明会の内容を以下に
はりつけておきます。
http://www.ehime-u.ac.jp/news_topics/detail.html?new_rec=7953 からの引用です。
留学生に向けた「福島第一原子力発電所の現状と今後の見通しについて」説明会を開
催
平成23年3月18日(金)11時から,総合情報メディアセンター1階のメディアホールで,
留学生に向けた「福島第一原子力発電所の現状と今後の見通しについて」の説明会を
開催しました。
3月11日に発生した東北関東大震災に端を発した福島第一原子力発電所のトラブル
は,刻々と状況が変化しています。その内容は順次報道されていますが,日本語がわ
からない外国人には情報が十分でなく,大きな不安要因となっています。
この説明会は,正確な情報をきちんと伝えることによって,不安の軽減につなげる
ことを目的として開催しました。最初に矢田部龍一理事・副学長(国際連携・広報担
当)から挨拶があった後,参加者全員で震災犠牲者への黙祷を行いました。
講師の細川洋治国際連携推進機構副機構長は科学技術庁原子力安全局や国際原子力
機関(IAEA)などでの勤務経験があり,説明の内容は国際連携推進機構のRuth Vergin
准教授によって英語への通訳が行われました。
説明の中で,細川副機構長からは,トラブルを起こしている原発はチェルノブイリ
の事故とは状況が違うこと,松山と福島第一原子力発電所とは十分に距離があること,
また,地理的条件から松山で津波の被害を受ける可能性が低いことなど,状況をよく
考えてパニックに陥らないことが大切だという話がありました。
参加者は外国人留学生や外国人研究者など約120人にのぼり,説明の後には質問が
相次ぐなど,約2時間に及ぶものとなりました。
引用終わり
環境・平和研究会会員
安渓遊地(あんけい・ゆうじ)