嘘も100回言えば)原発は「発電時にCO2を出さない」はウソだった
2010/08/17
「発電時にCO2を出さない」はウソだった
排出量統計では、発電所での発電時のCO2 排出を電力の最終消費部門に割り振って
算定する「間接排出」方式がとられています。「発電所等配分前」は、間接排出で計
算するために割り振る前の、発電所で実際に排出した量に当たります。ほとんどの沸
騰水型原発でこの排出量が報告されているのは、沸騰水型炉の主要設備である補助ボ
イラーによるもののようです。
沸騰水型炉では、タービン軸封部(タービン車軸とケーシングの隙間)から放射能
を帯びた蒸気が漏れることを防止するため、原子炉の起動・停止時には補助ボイラー
で発生させた蒸気でシールしています。補助ボイラーの燃料は重油か電気で、廃棄物
処理や屋外タンクの加温、建物の暖房等にも利用するため、原子炉の起動・停止時に
限らず常時動いています。福島第二原発の補助ボイラーはすべて電気なので報告対象
にあがってこないようです。つまり表に名前のある沸騰水型原発は重油を補助ボイラー
の燃料として常時燃やしてCO2を排出していることになります。「発電時にCO2を出さ
ない原発」という宣伝はウソといえるでしょう。
http://homepage3.nifty.com/ksueda/ondanka3.html
によりくわしい検討結果が載っています。
2009年4月30日しんぶん赤旗の記事もわかりやすいですね。
日本の原子力発電所や核燃料製造施設などから、中規模火力発電所一カ所分並みの
年間約82万トンの温室効果ガス(CO2とフロン)が出ていることが、本紙が資料公開
請求した経済産業省と環境省の「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」(2006、
07年度)の集計データから分かりました。原子力関係の排出実態がわかったのは初め
てです。 (宇野龍彦)
政府資料で判明 政府・財界は「原発は世界に貢献。CO2ゼロ」 などと宣伝し、
「低炭素社会の切り札」と位置づけ増設しようとしていますが、そのインチキぶりが
明らかになりました。
核燃料製造や使用済み核燃料の処理、原発の保守点検・放射性物質管理などで大量
の電力消費をともないます。もっとも多かったのは青森県六ヶ所村にある核燃料製造
施設(ウラン濃縮、使用済み核燃料再処理)の日本原燃。関連施設の運転にともない、
中規模火力発電所クラスの約22万トン(07年度)も排出していました。
原発でもっとも多かったのは石川県の志賀原子力発電所で約10万9千トン。開示資
料に北海道電力、関西電力の各原発と東京電力福島第2原発の排出データはなく、こ
れらを除く商業用原発の排出量の合計は約28万トンでした。
このほか福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」が約4万トンで、運転停止中にも
かかわらず、原子炉冷却用のナトリウムを固まらないように加熱するため、多量の電
気使用にともなうCO2の排出源となってきました。
核燃料製造施設では日本原燃、三菱原子燃料など四社あわせて約24万トン。
茨城県や福井県などにある日本原子力研究開発機構の全施設で約30万トンも排出し
ていました。
電力会社などは、さきごろ横浜市で開かれた日本原子力産業協会の年次総会で、「
CO2ゼロ」と原発を持ち上げましたが、実態は大違い。業種別でみても、原発の運転
に直接かかわる関連事業所だけで、運輸業・郵便業(約90万トン)に迫る排出源となっ
ています。