映画上映会と監督のお話)「米軍再編・岩国の選択」(西山正啓作品)を見て
2006/07/26
2006年7月24日夜、周南市で開かれた山口県内での映画連続上映会の第一回大
会に参加してきました。会場は、座るところもないほど満員でした。
2時間にわたるドキュメンタリーで、ことし3月12日の岩国市での住民投票
をめぐる人々の動きや発言を知ることができました。
あのおとなしい岩国の人たちが、住民の意思を示そうという一点で、立ち上が
り、投票への参加を呼びかけていく。
選挙の事前運動だという批判をあびながらも、井原市長は、そういう小さい問
題ではなく、主権者である住民が地方自治に対して直接意見を表明できる、とい
う機会を失わないためにやっている、と淡々と語り、自ら投票を呼びかけるビラ
を街頭で手渡していく。
特定の問題についてでなく、いつでもつかえる住民投票条例を準備していた岩
国の底力がみえてくる。
投票のボイコットを訴える人々、討論会に参加して、「何十年後も岩国基地は
あるのだから、基地と共存する明るく豊かな岩国」をとよびかける建設業界の人
と、あきれて笑い出す岩国の女性達……。さまざまな声と姿を、西山監督はナレ
ーションを入れることなく淡々と写し取りつみ重ねていく。しかし、投票率が女
性で61%、男性で55%と、この動きの中心が女性たちであることが開票風景
から見えてくる。結果は、9割近い反対で、総有権者数の51%という絶対多数
が反対の意思表明をしたという結果になった。
最後は、つい先週の7月15日に廿日市市で開かれた、岩国への基地機能拡大
反対の広島側のシンポジウムの様子だ。
パネリストとして、被爆者でもある秋葉広島市長、山下廿日市市長、関太郎広
島県・廿日市市文化財保護委員、吉田正裕宮島大聖院座主。本田幸男・大竹市阿
多田島自治会長廿日市市長、広島市長、宮島の宮司など、関係する自治体の首長
たちが揃って反対の声をあげているようすが熱く伝わってくる。
監督は語る。
岩国基地の滑走路を拡張するとともに巨大な岸壁を築いていることは、艦載機
部隊を岩国移そうという動きは、その飛行機を運ぶ原子力空母を、横須賀に続い
て、瀬戸内海にもってくる準備にほかならない。広島からわずか50キロ、だか
ら、広島の首長たちはあれだけの動きをしている。山口の人たちにも、このこと
を知ってもらう必要があると思う。
今回の上映会を皮切りに、どんどん見ていただきたい。
お土産に、西山監督の最新作からDVDを3本購入(見たい人、いっしょにみま
しょう、山口県立大の安渓研究室までどうぞ)。
2005年 「水俣わが故郷 ほっとはうす流もやい直し」
2004年 「ぬちどぅ魂の声 韓国 沖縄 日出生台 2001-2004」
2001年 「梅香里(メヒャンニ)」(韓国西海岸の米軍基地と共存できない人々
)
いま、水俣では、15年前に作った東京日の出村の産廃施設を描く「水からの
速達」が、ほとんど各公民館で上映されています。
いろいろな問題が実はみんなつながっている、ということに気づいてほしいで
す。頭の中の壁を取り払いましょう!
これが、終わりにあたっての西山監督からのメッセージだった。
上映希望の問い合わせ先 092-942-7406(西山)
メール n-aitaro@nifty.com(@を半角にしてください)
西山監督の作品を上映するシグロという会社もあります
http://www.cine.co.jp/php/list.php?list_no=3&search_seq=31
2006/7/15 廿日市シンポの内容
http://www.janjan.jp/government/0607/0607167930/1.php