ジャパンハート講演会
2010/01/29
2010年1月22日(金)
ジャパンハートでミャンマーや国内の僻地等で実際に看護師として活動をされている西野先生と大原先生をお招きして、大変貴重なお話を聞かせていただきました。
第1部 講演会
ミャンマーでの体験
ミャンマーは仏教国であり、病院の理事も住職だそうです。僧侶達と一緒に生活をしながら、ミャンマーの多くの人達の病気の手当をしてこられました。
日本のように医療器具も整っておらず、手術中にブレーカーが落ちて停電することは度々だそうです。ガーゼなどもみんなで協力して手作りで用意されるようです。蚊が多いため、感染予防には注意が必要だとお話されていました。日本の薬品はミャンマーの薬品よりも効能がいいが、調達が可能なミャンマーの薬品を使用するそうです。治療が持続的に行えるために医薬品は現地調達されるそうです。
また、ミャンマーは保険制度がなく、医療費は実費のため、多くの人が治療や手術を受けたくても受けられない状況のようです。先生達が診られた患者さんの中のほとどが、2~3年前から病気であったり、ひどい方だと8年以上もずっと病気だけれど、治療をうけられない方が多くいるということでした。ガンの手術を受けるには多額の費用がかかるため、子供たちはガン治療を受けることができないそうです。(ミャンマーの平均所得 1日50円、手術代2万円)そのため、患者さんの死までの時間を一緒に楽しく過ごす方法を考え、患者さんの家族旅行を無償でサポートする心の医療事業を行っているそうです。
口裂病の患者さんは、学校に行けなかったり、結婚できないなどの問題を抱えて生活をしています。手術を無事終えた患者さんは、学校に行けるようになり、結婚がきまるなど病気が治るだけでなく、生活も大きく変わるのだそうです。
日本の僻地での医療
(島根県隠岐の島)
島の中で自己完結できるネットワークが充実している。医師、看護師、住民みんなが知り合いのため、患者さんの要望を理解しやすい環境が整っている。在宅看護か病院看護かは患者さん自身が選べるそうです。とにかくチーム医療と在宅介護が充実していると話されていました。
(山梨県牧丘)
隠岐の島とは違い、こちらは地域での自己完結ではなく、状況に応じた調整能力が抜群だそうです。患者の状況に応じてどの病院で治療を受けるのがよいかを判断して、医療を提供する体制が整っているそうです。
その地域地域に応じた医療を提供することが大切だとお話をされていました。医師、看護師として重要なことは、その地域の人達と同じ生活をすることで、どのような生活背景があるかをまず知ることだと最後にお話いただきました。
第2部シーネづくりワークショップ
参加者が5つの班にわかれて、シーネづくりに挑戦しました。(シーネ:骨折の際患部を固定する添え木のこと)
それぞれの班に問題がだされ、その問題に応じてシーネを作りました。(問題例:自転車で走行中に転倒、右足首を骨折)
シーネの材料は、ペットボトル、雑誌、牛乳パック、ガムテープ、ストッキングなど日用品です。
どの班も創意工夫して、シーネづくりに挑戦しました。先生達もみんなの発想にびっくりされていました。
参加者は県立大学の看護学部生を中心に、山口大学医学部生、北九州からも学生が来られていました。一般の参加者も多く、それぞれに充実した時間をすごすことが出来たと思います。