環境理論特別講義・第6弾「インテグレーション工場」発 ~持続可能な社会実現に向けて~
2009/12/05
「環境理論特別講義・6弾」は、株式会社トクヤマ徳山製造所 環境安全部環境管理課の 松谷 勝博 課長を講師にお迎えして12月5日(土)、県立大学において行われました。
今回は
「インテグレーション工場(徳山製造所)」発
~持続可能な社会実現に向けて~
と題して、同社が、副産物(廃棄物)を有効利用するためにいかに腐心したか、その結果、多種類の製品を出荷する「インテグレーション(集積)工場」に発展したことを踏まえながら、その一方では常に環境面で社会に貢献してきた、と熱っぽく語られました。
「ソーダ灰」や「苛性ソーダ」の製造から始まり、「塩化カルシウム」などの生産に拡大する過程で、発生するカルシウムを含む泥分を何とか利用しようと「セメント」製造を始めたこと、それらは、「副生物の有効利用」を追求する歴史そのものであり、現在では、廃棄物の有効利用率94.1%、ゼロエミッション率99.9%の高水準に達していると述べられました。
セメントは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しますが、その一方では、高度の技術を駆使してセメントの原料に利用するなど、年間203万トンの廃棄物を有効利用しています。
さらには、環境配慮型製品の開発にも力を入れ、太陽光発電には欠かせない「多結晶シリコン」の大規模生産や、高気密性を保持する樹脂サッシの製造など、枚挙にいとまがありません。
さまざまな取組に参加者からも「環境税が導入されれば、どのように対応するのか。」など、踏み込んだ質問が次々と発せられ、質疑は大いに加熱しました。
これらの企業活動をベースに、県立大学の環境講座に望みたいことなどを中心に、グループ討議が行われ、最後に、講座の皆勤賞が8人の方に手渡されて、今年度の講座は終了を迎えました。