地域共生演習「河村邸」 担当加登田先生よりご報告がとどきました。
2009/07/21
6月27日「まちなかデイサービス さんコープ 河村邸」と地域共生演習の共催で
七夕祭りを開催しました。
今年のプログラムは、以下の通りです。
1)県立大学箏曲部 の演奏
2)県立大学留学生による「七夕物語+ちょこっと外国語講座」
3)米本太郎さんの鷺流狂言の紹介
4)鹿野苑ミニライブ
昨年の大雨と打って変わって、ちょうど良いお日和でした。
参加者は地域の方20名と学生20名です。県立大<きものサークル>のメンバーの協力により、みんなで浴衣に着替え地域の方をお迎えしました。
一方、さんコープの関係者の皆さんは、美味しい手作りの<素麺>と<おだんご>を作って下さいました。裏方担当の3人は、盛りつけやお客様への配膳をお手伝いに大忙しです。
18時になるとプログラムの開始です。2人の学生が司会を務めました。最初のお琴による懐かしい「わらべ歌」の演奏の後は、留学生による「七夕物語+ちょこっと外国語講座」です。今年は、高さんが、パワーポイントを使って七夕物語のお話を流暢な日本語で語りました。さらに、その合間に、高さんの
中国語、金君の
韓国語、エビリンさんの
フランス語と英語と、実に4カ国語のちょこっと講座が組み入れられています。お年寄りも、
「今晩は」「グッドイブニング」「ボンソワール」なんて、声を出して楽しみました。
その次は、米本太郎さんが鷺流狂言の紹介をして下さいました。みなさん、カラスの声を狂言風に表現するとどうなるのかご存知ですか?それから、モモンガの鳴きも????
ちょっと楽しい、古典芸能とのふれあいでした。
最後は、法界寺の鹿野苑のミニライブです。このライブは昨年もやりましたが、河村邸の利用者さんにファンがおられ、たってのご希望で再登場となったものです。辻田先生と県大生の心温まる熱唱でした。
来ていただいた方にも喜んでいただき、楽しい時間をみんなで過ごすことができました。
さて、この<七夕祭り>の開催に当たっては、メンバーは何度か河村邸を訪問し、利用者さんたちとの交流や準備をします。
最初の訪問では、
「わきあいあいとしていて、非常に良い雰囲気でした。また来たくなるような所でした。」
「私たちに興味をもって下さって、色々話しをして下さって楽しかったし、嬉しかった。」と言う感想がある反面、
「数名の利用者さんとおしゃべりすることができた。でもいまいち何を話せばよいのか。目の前の方が何を感じておられるのかを理解できず、少し混乱しながらの交流だった。」
「腰が痛い利用者さんのことを考えないで話をしたので、次回は相手側の体調をちゃんと考えて行動したい」という、戸惑い体験もありました。それが、2回目移行の訪問になると
「前回よりも、会話が弾んだように思う。この調子でお年寄りの方たちともっと仲良くなりたい」と思ったり次第に心がうち解けてきたようです。さらに一緒に七夕飾りを作る作業を始めると、
「ある方から折り紙で〈おどりこ〉の作り方を習った。その時感じたのだが、その方の『自分の力で見て、ついて来なさい』な姿勢が昔の人っぽくていいな、と思った。(偏見かもしれないが)現代では、いまいちそういう厳格さに触れる機会がないから新鮮だった。」笹の葉とかざりを結ぶ<こより>を作ったときは、
「大変<こより>を作るのが上手な方がいらっしゃり、詳しい作り方などを学ばせいただきました。わずか10秒ほどで形もきれいなものが出来ていたので、私はどうしても見本に近づこうと頑張ってみましたが、難しかったです。」なかには、
「ビー玉を使った遊びして交流を深めた。この遊びによって、半身麻痺や認知症の方のリハビリに効果があるそうだ。職員さんに、〈リハビリせんといけんから、この人は左利きだけど、麻痺があるから右ばかり使ってしまうけえ、左も使わせてね〉と言われた。私はやっぱり職員さんと同じようには注意したり、説明したり出来なかった。」など、看護師や福祉士を目指す学生の最初の動機付けを刺激する体験もあったようです。
近隣への<チラシ配り>では、今回はとくに一人暮らしの高齢者宅へは直接手渡しに行きました。
担当教員として、学生たちが、今回のささやかなプログラムの過程でも、いろいろな出会いや発見をしてくれたことが分かり、とても嬉しくなりました。
さんコープの中村事務局長さん、河村邸の有馬所長さん、ご協力いただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。