環境理論特別講義・第3弾「低炭素社会構築に向けた持続可能な施策」
2009/07/05
「環境理論特別講義・3弾」は、国連大学名誉副学長で、現在は(独)製品評価技術基盤機構理事長の 安井 至 先生をお迎えして7月4日(土)、県立大学において行われました。
今回は「低炭素社会構築に向けた持続可能な施策」をテーマに、「地球レベルから見た環境自治体とは何を目的とすべきか」、「なぜ協働が必要なのか」などについて、先生の熱い思いが語られました。
低炭素社会を実現するための手法は、
1 自然エネルギー・自然材料の利用
2 高効率化による省エネ・省資源
3 炭素隔離貯留・有効利用
4 原子力
に尽きることを話され、さらに日本の人口が今世紀末には4,500万人に、中国も2,020年を境に減少に転ずることを考慮すると、必要な資源総量も減少する可能性があることを指摘されました。
また、「エコポイント」や「太陽光発電補助の復活」は「景気回復」の手段として「環境」を利用しているのであって、根本的な「地球温暖化対策」ではない。その点を消費者がわきまえたうえで、これらの制度をうまく利用して積極的に「地球温暖化対策」に結びつけることが「賢い消費者」である、と解説され、参加者一同、「なぁ~るほど」
後半は5班に分かれ、先生の講義を踏まえて、行政や消費者の果たすべき役割を中心にグループ討議を行いました。
今回は特に、山口東京理科大、山陽小野田市、岩国市など幅広い分野から参加していただいたおかげで、いつにもまして議論が深まり、「自分たちの果たすべき役割をしっかり意識して行動すべし」「多くの人を動かすためには、どのような工夫が必要か」などについて大いに議論を戦わせました。
安井先生からは、「本当に環境配慮を意識して行動している人は2%程度。全体の意識を高めるには高校までの教育がきわめて重要」との助言も得られました。
これまでの3回の特別講義を通じて、本学の「環境システム」履修学生が、環境に造詣の深い一般の方々を相手に堂々と自らの意見を披瀝できるようになった姿を見て、「教育」の成果をわずかなりとも実感できたひとときでした。