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サンデー山口)「徳地で初の探訪ツアー 重源上人ゆかりの石風呂巡り」の記事出ました

2007/03/16(金)


sanday
 2007年3月16日の記事です。
 http://www.sunday-yamaguchi.co.jp/news/2007/2007.03/16iwaburo.htm

 以下、引用です。

 徳地で初の探訪ツアー 重源上人ゆかりの石風呂巡り

 徳地・防府に約70カ所点在
 800年前の サウナ

 約800年前、奈良の東大寺再建のため、銘木を求めて徳地の山奥へ61歳の時に杣入りした重源上人。材木調達に従事した人々の保養のために造ったという石風呂は、今もなお徳地・防府一帯に約70カ所点在している。しかし、これほど多くの遺跡が残っていることは市民にもあまり知られていない。そんな中、徳地ガイド(清水満里子代表)主催で、石風呂だけを巡るという初の探訪ツアーが8日に開かれた。

 佐波川流域に多い石風呂は、現在でいうサウナ。石室の中で柴木を燃やして内部を熱し、残り火をかき出した後、薬草やヨモギを混ぜて濡らしたわらを敷き詰め、その上からむしろを広げて中に入り熱気浴をするというものだ。徳地では、野谷や岸見の石風呂が有名だが、それ以外にも31カ所が確認されており、このうち6カ所が現在でも入浴できるという。
 ツアーを企画した徳地ガイドは、地域活性化を目的に04年に発足した住民らのグループ「徳地づくり達人塾」の一期生3人。徳地の魅力を再発見してもらおうと、石風呂だけにスポットを当て、柚野、八坂、串、島地、堀の5地区から2カ所ずつ計10カ所を一日で巡るという行程を組んだところ、地元だけでなく、防府市や旧山口市からも計34人が参加した。
 まず一行が向かったのは、徳地総合支所から車で約40分山の中に入った袈裟岩堂そばの三谷・梶畑の石風呂(八坂)。それまで晴れていた空も、ここに来ると一面雪模様に変わった。袈裟岩堂には重源上人の尊像と袈裟岩がまつられているが、この岩は材木を切り出す際、上人自ら人足を指揮するために脱いだ袈裟を掛けた場所といわれ、以来岩に袈裟の縫い目らしいものがはっきりと残っている。市徳地文化伝承館の前館長で、この日の案内人を務めていた藤本勝行さん(65)も「この場所に来たのは初めて」と感激した様子だった。
 その後、2年前に崩れたという滑・隠藪の石風呂(柚野)、大岩のふもとを横穴式に掘りこんだ野谷の石風呂(柚野)、妙寿院そばの上八坂の石風呂(八坂)を見学。岸見の石風呂(堀)では、岸見石風呂保存会の会長・山村理さんから簡単な講習を受けた後、実際に服を着たまま4〜5人ずつ交代しながら入浴した。80度近くまで熱せられた石風呂の中で、参加者らは800年前に思いをはせ、「体のしんから温まる。こりゃあ、冬の寒い時期には本当にありがたかったじゃろう」と会話を弾ませていた。
 午後からは、出雲神社そばの二宮の石風呂(堀)、本光寺文殊菩薩堂そばの下串(串)、慈眼寺の遠内(同)、月輪寺薬師堂裏の上村(島地)、観念寺そばの島地(同)の石風呂を見学した。ツアーを終え、宮野上の金子良博さん(60)は「多くても5〜6カ所と思っていたが、こんなに点在しているのには驚いた」、岸見の八並和子さん(62)は「他の所も大きいのがあってすごかったけど、岸見の良さも再発見できた」と感想を述べた。
 清水代表は「重源上人や石風呂について、一人でも多くの人に知ってもらえればうれしい。今後もさまざまな探訪ツアーを企画していきたい」と話していた。




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