たねをまもる)たねえらびは大きさでなく美しさで:吉松敬祐さんのよもやま話 #tane_#Yamaguchi_RT_@tiniasobu
2021/09/30
吉松さんは、山口市北部の阿東高原に暮らすわたしたちの暮らしのお師匠さんです。
ここ徳佐で20年30年と育ててきた作物のたねや球根をいただいては育ていてます。
アズキ、ダイズ、マクワウリ、ニンニク、ワケギなどなど。にんにくは香りが高くしかも姿が美しい。
いただいて育て始めてそろそろ5年になるでしょうか。
友人がおしゃべりの中で吉松さんに質問をしました。「にんにくの形がだんだん揃わなくなるのですが」
「そりゃたねのにんにくを選ぶときに、形のいいしっかりしたものを選ぶんだよ。大きいのとかでなくてね。」
聞いていた私ははっとしました。わたしは、にんにくのたねを、球根をバラバラにして形がいいものや大きいものを選んできたからです。大きいけれど形がいびつなものがふえてきているような気がしていましたが、それは、欲を出して大きいものを選んでいたせいだったのです。6個の玉がきれいな6角形に並んだものをたねにえらんで、それを植えつぐというのが吉松流でした。
このほかにも、「播いたたねから芽が出たら間引くじゃろう。そのとき大きいものを残すのではなくて、双葉がきれいにそろったものを残すんだよ。そうしないと形がいい野菜に育たない」
なるほど、そんなことも、播いて、育ててからお聞きすると身にしみてわかる気がします。間引きの話はもっと大切なことも聞いたとおもうけれど、思い出したらまた書きます。
「柚子の木を植えるときには、若木の棘に近くの木からとった柚子の実を刺しておくんだよ。そうするとよく育つ。これはうちのばあさんなんかは『すわたし』と呼んでいた。この意味は、土地ごとに土着の共生菌やウイルスが居るからそれを渡してやるんだね。共生菌のことは知らなかったけれど、人々が昔から経験にもとづいて、やってきたことなんだね」
やまぐちの種子を守る会 世話人 安渓貴子