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9/17) 中国電力による公有水面埋立免許願書に関する申し入れ書を下関の市民グループが山口県庁に提出します]
2008/09/14
おしらせです。
2008年9月17日 午前11時から 下関の市民が中心になって、表記のよう
な申し入れをすることになりました。
当日提示する資料などを省いたダイジェスト版ではありますが、代表の上里(あが
り)さんの依頼により、掲載いたします。
なお、埋立免許願書の写し は、
http://ankei.jp/yuji/?n=542 から 545までに掲載しています。以下の文中のページ数などは、それと対応しています。
以下引用です。
平成20年9月17日
中国電力(株)による公有水面埋立免許願書に関する申し入れ書
山口県知事 二井 関成 殿
ストップ! 上関原発計画
責任者 上里恵子
知事におかれましては、このたび中国電力(株)により提出された「公有水面埋立免
許願書」について、対応に苦慮されていますことと拝察いたします。
私どももこの書面を見まして、精密さ正確さを欠いた表現が目につき、これで埋立
の可否を判断するのは、難しいのではないかと以下のように申し入れとお問い合わせ
をさせていただきます。
また、知事が「6分野21項目」の留意点をつけてこの計画に同意の意志表示をされま
してから、原子力発電の環境も変わってまいりました。
六ヶ所における再処理工程は行き詰まりを見せ、原子力発電所立地箇所、あるいは
その近くで想定外の地震が発生しております。
ここ上関・長島を含む地域も1978年に指定された地震の特定観測地域内にあり、最
近の地震調査研究本部の発表によれば、2006年1月から30年以内にM7.4の地震が起こ
る確率が40%になっていることも分かりました。
資料―(1)
また、上関・長島に計画された原子力発電所の特徴は、瀬戸内海国立公園の海域指
定地域のただ中に建設されようとしていること、また発電炉としては容量が大きく、
採用されて日の浅い「改良沸騰水型原子炉」を採用することにあります。
瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和48年)第三条一項によれば、瀬戸内海の特徴とし
て「わが国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、又、国
民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民が等しく享受し、後代の国
民に継承すべきものであることにかんがみ」とあり、現在だけでなく、将来の国民の
ためにも保全すべき対象であるとしています。
一上関町だけのものでもなく、中国電力(株)だけのものではない瀬戸内海ですから、
原子力発電所の設置を目的とする埋立の可否を決定する権限を持たれる山口県知事と
しては、この計画の妥当性について慎重に検討をされることと思います。
おこがましいとはおもいますが、そのための一助ともなればと、以下のような申し
入れとお問い合わせをさせていただきます。
1. 瀬戸内海国立公園内の原発計画
原発計画予定地は瀬戸内海の海域指定地域内になっております。このことについて
県の見解をお伺いいたします。普通地域は長島の陸地のみです。
資料―(2)
1. 埋め立てることにより、陸からの淡水供給が断たれる。
2. 取水口で常に次亜塩素酸ソーダが存在すること。
3. 放水口から、取水時点より7℃高く、微量にしろ放射能を含む海水が毎秒
190トン放出され、熱負荷が大きいこと。
この3点が瀬戸内海への負荷になることを考えなければなりません。
2. 昭和60年5月に中国電力(株)によって上関町に提出された「事前調査報告書」の
不備により、地盤の良好度は不明です。
このことについては、昨年、不備があるために詳しいデータを求めました。
中国電力(株)の回答は「いま、詳細調査をしている。その結果を待つように。」
というものでした。
詳細調査の結果がなければ、地盤の強固さは分かりません。さらに中国電力が
自主的に追加調査をしている2点の海底調査、これらの調査の結果が出て、初めて地
盤の良好度が分かります。地盤の状況が不明なままでの、埋立は認められませんよう
申し入れます。
3. 瀬戸内海への温排水拡散についての検討の不備。
今回の発電所計画では、温排水放出が、瀬戸内海汚染の最大の要因になると思われ
ます。今回提出の「公有水面埋立免許願書」でも、温排水の拡散について検討してい
ますが、この実験条件を見ると、項目が一つ落ちています。
毎秒190㎥;の7℃高い温排水を放出したことは記載されていますが、何秒放出
した結果なのか、つまり、どの位の量を放出したのかが不明です。
資料―(3)
この不明のデータを明示するように、中国電力(株)に指示してください。
温排水の影響についての考察は、その後になります。
さらに、実際に放出する温排水の拡散について、1年後,5年後,10年後,20
年後のシミュレーションを提出するよう指示してください。知事としても、瀬戸内海
の熱による汚染についてしっかり確認されなければ埋立の可否について判断を下せな
いと思われるからです。
なお、中国電力(株)が「埋立免許願書」第六章で引用する、「温排水問題に関
する中間報告」では、シミュレーションが有効である理由として、「対象水域の地形、
流れの特性及び気象条件等、温排水の拡散に関する要因をかなり数多く盛り込んで計
算できることから、拡散現象を把握するのに有効」と記述しています。
4. 危険施設である原発の、もしもの時の避難計画を立ててください。
原発が安全神話の中ではなく、「残余のリスク」を背負って立地することになった
新指針を考慮すると、知事がいみじくも「6分野21項目」の中で指摘されている、避
難困難者の存在を視野に入れなければならなくなっています。
また、「公有水面埋立法第四条」にも、防災に十分に配慮したものでなければ、都
道府県知事は免許を為すことを得ず、となっています。
中国電力(株)の防災への配慮がどのようになっているか、文書での提出を求めてく
ださい。
さらに、県としての避難計画がどのようになっているか伺います。
5. 「瀬戸内海環境保全特別措置法第三条一項」への配慮
今回の埋立の認可については、同法第十三条1項で、県知事は、「第三条第一項
の瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならない」とあり、これに基づいた判
断が行われることと思います。中国電力(株)が瀬戸内海への配慮として、具体的に検
討しているのは、今回の「公有水面埋立免許願書」の中では第六章です。これが、知
事の「瀬戸内海の特殊性に十分配慮したものになっている」かどうかの判断材料にな
ると思います。私達が目を通しましたところ、これでは瀬戸内海の特殊性を保全でき
るとは言い難いと判断しますので、次のような事柄の、事業者による回答を指示され
ますようお願いいたします。
1. 生物について
中国電力(株)は、予定地現地の生物は一般的なものであるとして、調査地域内
の他の場所で見られるという理由で、埋立の影響を軽微なものとしています。
長島の自然を守る会が研究者と共同で行った調査結果によるととうていそのように
は結論できないことがわかります。
次の生物について、埋立地以外の調査地域のどこで観察されたかを知ら
せるように指示してください。
●スギモクはどこで観察されましたか
●ミミズハゼはどこで何種類が観察されましたか
●ナメクジウオはどこで観察されましたか
2. 取水取り込み影響について
動・植物プランクトンの復水器通過による影響について「5年間にわたり4ヵ所
の発電所で行われた調査の結果によると」(略)
特に影響があるとは認められなかった。(6-10)とあります。以下のことを明らかにす
るように指示してください。
●5年間とはいつからいつまでなのか
●4ヵ所とはどこの発電所なのか
●また、そのデータを調査の責任の所在が分かるようにして示してください。
卵・稚仔および幼魚の項目で。
●スケトウダラ、カサゴの稚仔、サケの幼魚、イシカワシラウオ、の調査はど
この原発での調査なのか。
●上記は計画地近隣での調査ではないと思われます。
伊方原発・島根原発でのデータを提示するよう求めてください。
また、上関原発計画出力に近い原発の例についても示してください。
●今回の埋立免許願書6-11に引用の「温排水問題に関する中間報告」では、「
卵、稚仔、胞子等は熱交換器を通過する場合に機械的にも損傷を受け、死亡率が高い
ことが知られている。」とあり、生態系への負荷が大きいと言えます。中電に正しく
検討するよう指示してください。
3. 温排水が海域の生態系に与える影響への考察について、以下のことを明らかに
するように指示してください。
●6-11の「中央公害対策審議会水質部会」の「温排水問題に関する中間
報告」(昭和50年12月)の引用について。
33年前の中間報告が引用されていますが、最新の報告がどのようにな
っているかを訊ねてください。
●6-11の下から11行目からの「 」内の文献を示すよう指示してくだ
さい。
●「温排水問題に関する中間報告」は、昭和45年、大型発電所の建設計画があ
いついで立案される中、温排水の自然環境に与える影響が問題とされるようになり調
査実施となり、中間報告になったものです。
その調査時、昭和47年の時点では、原発の出力は46万kwが最大出力です。上関
原発計画では、274.6万kw(137.3万kwt×2)であり、温排水の量も比例して多くなりま
す。
この時点での評価の内、甘い評価を引用しているのは妥当ではないと考えます。
それでも、のりへのダメージはあるとの記述があります。
伊方原発では、稼動の翌年から実施した市民のアラメに絞った海洋調査でも、
稼動期間と運休中の生育状況の差がはっきりと出ています。
海水温の影響が海藻に現れ、やがては、魚類の産卵に影響を及ぼし、漁獲量へ
の影響は避けられないと思います。
中電の評価の再検討を指示してください。
4)次亜塩素酸ソーダについて
●6-12の環境保全対策の欄の「次亜塩素酸ソーダの濃度は低濃度におさえ、」
とあるが、何%なのか明示するように指示してください。
●6-12の(4)の(a)の内容を証明する文献をその責任の分かるようにして明示す
るように指示してください。
5)放射能について
温排水に含まれる放射能についての記述がありません。
中国電力(株)の島根原発の設置許可申請書には、放射能についての記述が
ありますから、上関に計画中の原発からも設置稼動の場合は放射能が、
排出されると判断することが至当と思われます。前述の伊方の市民による調査
でも、原発前面の海底土がコバルト60で汚染されると言うことが分かっています。
温排水に含まれる放射能について記述するよう指示してください。
6. 原子力依存について
●原子力に依存する理由としてCO2削減が挙げられますが、CO2を全く排出しな
いとはいえない原子力発電です。
逆に、他のエネルギー源と決定的に違いのある、放射性廃棄物への対応をどの
ように考えるのか、知事の考えを示してください。
再処理のプラントは機能しない状態が続いています。
●『埋立必要理由書』P6の(6)で「使用済燃料等の輸送に関して、航路・港
湾施設が確保できること」とありますが、どの航路を通りどこに運ばれるか示
すよう求めてください。
●『埋立必要理由書』P3に「原子力は供給安定性に優れ」とありますが、次の
理由から供給安定性に疑問があります。
(1)ウラン産出国は限られた19カ国。価格の決定などでいつ不安定要因になるか
分かりません。
(2)ウラン消費量はアメリカについで2番目に多いというデータがあります。
消費が多いことは、使用済み核燃料のストックも多いことになります。
多量の使用済みの核燃料を抱えた上に、再処理の行き詰まりは明らかです。再
処理の行き詰まりは原子力発電の行き詰まりを意味します。
供給安定性に優れている理由はないと考えます。供給安定性を保証する理由が、
ほかにあるのか明示するよう指示してください。
(3)地震国における原子力発電は、稼動に安定性があるとは言えません。
計画地も、前文で触れたように地震調査研究推進本部が2006年から30 年間にM7
.4の地震が40%の確立で発生すると指摘しています。
原子力発電は、地震国では稼動にも安定性があるとは言えないことを、知事の
判断に付け加えられることを要望します。
7. 柱状図に凡例を付けてください
埋立計画の中の柱状図に凡例がありません。
この申し入れと問い合わせに対して、9月30日までにご回答くださいますようお願い
いたします。
以上
申し入れ、中国電力(株)に埋立免許を与えないで !!
埋立は、原子力発電所建設を目的にしています。
従って、次のような理由で埋立免許を与えられないよう申し入れます。
1. 生態系への影響
申し入れ5.の項目1)で、スギモク ミミズハゼ ナメクジウオ を観察された
調査地域の別の場所の提示を求めています。
これらは、長島の原発計画現地に生息している植物・動物です。ことにスギモ
クは、陸水が供給される場所で、水深1.2~2mの所で発見されており、今
回の埋立計画では護岸の際の水深は10mであり、生息場所を失うことが明らかで、
他に代替地がないことは研究者の調査で分かっていることを、資料を付けて申し上げ
ます。
資料―(4)
ミミズハゼも陸水の供給があるところにいるのですが、長島では8種類が見つかっ
ています。ナメクジウオは、ナメクジウオ砂と言われるほど厳密な大きさの砂粒を選
びます。
『環境基本法』第三条に、「環境の保全は、環境を健全で恵み豊かなものとし
て維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及
び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており人類の存続の基盤である、
限りある環境が、人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じて
きていることにかんがみ、現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境の恵沢
を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように
適切におこなわなければならない。」とあります。
「生態系が微妙な均衡を保つことで成り立つ」ことを前提に考えると、排水流
速が3m/sで、海底をえぐる力を持つことにも留意しなければなりませんし、なにより、
希少種の貝を「タイドプールに閉じ込める」ことを対策として提案する中国電力(株)
は、生態系に関する専門家を持たないと断言できます。
また、温排水拡散の検討にあからさまな欠陥があり、瀬戸内海への影響を検討
することもできません。
伊方原発の側でミズクラゲが増加傾向にあることが調査で分かっています。
1. 護岸工事 (2)冬の海水温上昇 (3)砂浜の減少
この3点がミズクラゲ増加の要因とされています。
原発設置は、まさに、この3点が揃っています。
ミズクラゲの増加は、魚との餌の競合だけでなく、魚の稚魚・卵がクラゲの餌になり
漁獲量の減少や、漁獲の阻害をもたらします。 資料―(5)
2. 地質上の理由
現地は大型地震の発生の確率が高いと指摘されています。
中国電力(株)が良好な地盤であることの根拠としている事前調査の報告書は、不備な
もので、地盤が良好であることを証明したとは言えません。
3. 改良沸騰水型原子炉の危険性
このタイプの特徴は、冷却水再循環ポンプを原子炉圧力容器の壁に10本、溶接
で固定していることです。
目視できない箇所のトラブルは「超音波探傷検査」が行われますが、今年4月に
大飯3号機の配管のひびが深刻なものになっているのが見つかりましたが、これまで
発見されなかったのは、溶接部の超音波探査画像がぼやけていたため判断を誤ってき
たことにあると言います。技術者が「溶接部は一般に、通常の金属部分に比べて超音
波が通りにくい」と言っているとのこと、溶接部のトラブルは判定しにくいと言える
ようです。
その上、金属は溶接でひずみ、その影響で腐食する「応力腐食割れ」が起きる
ため、溶接部のひびは過去にも多かったことが分かっています。
再循環ポンプが溶接された原子炉内は、高温・高圧です。
この最も新しいタイプの原子炉は、稼動歴11年しかありません。
人の暮らしがすぐ側にある上関原発計画です。このような不安定要素を抱えた
施設を設置することに、知事におかれましては、慎重に対応されるべき問題であると
考えます。
資料―(6),(7)
4. 食糧自給のためには
瀬戸内海は、世界の閉鎖海域の中で、単位面積当たりの漁獲量が断然多く、他
の閉鎖海域のおよそ4倍です。
温排水で汚染されてその機能を失うことを考えると、食料政策の上からも多大
な考慮が払われなければならない問題と考えます。
原子力発電所は稼動年数50年~60年。それだけのために末永く生き続ける瀬戸
内海を使い捨てにしないよう求めます。
以上の理由をもって、改めて、不明朗な記述に満ちた今回の中電の「公有水面
埋立免許願書」に対して、免許を与えられませんよう申し入れます。
以上引用終わります(掲載者 安渓遊地)。


