もんじゅ)14年余り休んでいたのを起こしてみたらすぐに故障。このまま廃炉にしましょう
2010/04/27
プルトニウムを燃やして、もやすほどプルトニウムが増える、夢の原子炉といわれた、
敦賀市にある高速増殖炉原型炉
もんじゅ(文殊菩薩様ごめんなさい!)、再開してみたら、早速ナトリウム漏れ検出
器がはたらかない警告でストップ。
http://mainichi.jp/select/science/news/20100427k0000e040018000c.html
14年余りも休んでいて、順調にうごくほど増殖炉は甘くないです。まあ、なんとかスタートしたとして2日もうごけば長い方でしょう。RT @aresan_nishioka: NHK「『もんじゅ』 検出器が故障」http://j.mp/dAG49K
とtwitterでつぶやきました。
そもそも、高速増殖炉とつけた人は天才です。プルトニウム燃料が高速で増殖して
増えるとおもうじゃないですか。ところが、設計通り順調に運転を続けたとしてプル
トニウムが倍に増えるのに90年かかる。高速は「高速中性子」の略で増殖にかかる
わけではないのですから、典型的な「だましの命名」です。
むしろ、ブラケットという部分に、兵器級の高純度プルトニウムができるというと
ころに、日本政府が高速増殖炉にこだわる本当の意味がある、という、物理学者槌田
敦先生の指摘に説得力があります。
『隠して核武装する日本』 (単行本)アマゾンで買えます。類書のない名著です。
以下のような現場の事情を知ると、動かせば危ないにきまっていると思えてきます。
http://alcyone.seesaa.net/article/144394861.html
からの引用です。
「信頼性無し、もんじゅ運転再開は愚の骨頂」
http://dandoweb.com/backno/20091007.htm
は内部証言をもとに、機構が一貫して自ら設計せず、パーツごとに脈絡無く下請け業
者に丸投げしてきた結果、全体をつかんで目を光らせる技術者がいないと指摘しまし
た。
そして、15年の空白があって、各パーツを発注しただけの技術者すら退職してしま
いました。安全確保のために点検すると言って、実は何をしたら善いのか、現場がど
のようになっていれば正解であり、安全なのか判然としない技術陣が、巨大で危険な
高速増殖炉をこれから動かすのです。
例えばナトリウム漏れ検出電極の異常は誤警報続出の結果、判明したのであり、多数
の施工ミスがあることは、その際の点検結果で表面化しました。自主的な安全点検で
調べ得たものではないのです。どれほどのミスが隠れているのか想像を絶します。
☆平井憲夫さんのお話――原発がどんなものか知ってほしい
(5)起こるべくして起こる事故
(JANJAN編集部。2005/01/05)
http://www.news.janjan.jp/living/0501/0412292134/1.php
●もんじゅの大事故
1995年12月8日に、福井県敦賀にある動燃(動力炉・核燃料開発事業団。9
8年10月から「核燃料サイクル開発機構」)の「もんじゅ」でナトリウム漏れの大
事故が起きました。「もんじゅ」の事故はこれが初めてではなく、それまでにも何回
も事故を起こしていて、私は建設中に6回も呼ばれて行きました。というのは、所長
とか監督とか職人とか、元の部下だった人たちが「もんじゅ」の担当もしていたので、
何か困ったことがあると私を呼ぶんですね。もう会社を辞めていましたが、原発だけ
は事故が起きたら取り返しがつきませんから、放っては置けないので行くんです。
ある時、電話がかかって、「配管がどうしても合わないから来てくれ」という。行っ
て見ると、特別に作った配管も既製品の配管も、すべて図面どおり、寸法どおりになっ
ている。でも、合わない。どうして合わないのか、いろいろ考えましたが、なかなか
分からなかった。 一晩考えてようやく分かりました。「もんじゅ」は、日立、東芝、
三菱、 富士電機などの寄せ集めのメーカーで造ったもので、それぞれの会社の設計
基準が違っていたんですね。
図面を引くとき、私がいた日立は0・5mm切り捨て、東芝と三菱は0・5mm切
上げ、富士電機は0・5mm切下げでした。たった0・5ミリですが、100か所も
集まると大変な違いになる。だから、数字も線も合っているのに合わなかったんです
ね。これではダメだということで、みんな作り直させました。何しろ国の威信がかかっ
ていますから、お金は掛けるんです。
どうしてそういうことになるかというと、それぞれのノウ・ハウ、企業秘密という
ことがあって、全体で話し合いをして、この0・5mmについて、切り上げるか切り
下げるか、どちらかに統一しようというような話し合いをしていなかったんです。今
回の「もんじゅ」の事故原因だった温度センサーにしても、メーカー同士での話し合
いも、されていなかったんではないでしょうか。
どんなプラントの配管にも、温度計が付いていますが、私はあんなに長いのは見た
ことがありません。おそらく施工した時に危ないと分かっていた人がいたはずなんで
すね。でも、よその会社のことだからほっとけばいい、自分の会社の責任ではないと。
動燃自体が電力会社からの出向で出来た寄せ集めですが、メーカーも寄せ集めなん
です。これでは事故は起こるべくして起こる、事故が起きないほうが不思議なんで、
起こって当たり前なんです。
●「事象」じゃない「事故」といえ
しかし、こんな重大事故でも、国は「事故」と言いません。美浜原発の大事故の時
と同じように「事象があった」と言っていました。私は事故の後、直ぐに福井県議会
から呼ばれて行きました。あそこには15基も原発がありますが、誘致したのは自民
党の議員さんなんですね。だから、私はそういう人にいつも、「事故が起きたらあな
た方のせいだよ、反対していた人には責任はないよ」と言ってきました。その議員さ
んたちに呼ばれたのです。「今回は腹を据えて動燃とケンカする、どうしたらいいか
教えてほしい」と相談を受けたんです。
それで、私はまず最初に、「これは事故なんです、事故。事象というような言葉に
ごまかされちゃあだめだよ」 と言いました。県議会で動燃が「今回の事象は……」
と説明を始めたら、「事故だろ!事故!」と議員が叫んでいたのが、テレビで写って
いましたが、あれも、黙っていたら、軽い「事象」ということにされていたんです。
地元の人たちだけではなく、私たちも「事象」というような軽い言葉にごまかされ
ちゃいけないんです。
普通の人にとって、「事故」というのと「事象」というのとでは、とらえ方がまっ
たく違います。 国が、事故を事象などと言い換えるような姑息なことをしているの
で、日本人には原発の事故の危機感がほとんどないんです。
(編集部注: 「平井憲夫さんのお話--原発がどんなものか知ってほしい」は、原
子力発電所建設の現場監督に長く携わった故・平井憲夫さんの話を「PKO法『雑則』
を広める会」の佐藤弓子さんたちが1995年5月にまとめたものです。したがって
文中の「私」とは平井憲夫さんのことです)
引用終わり