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もったいない)灰・沖縄スバ・石原都知事
2008/05/02
山口でお風呂と暖房に薪を使ってくらせるようになって、15年目です。
久しぶりに家にいられた日。まる一日ひとりで薪割りと薪積みをしました。一輪車に30回ぐらい積みましたから、1回50キロほどとして、ようやく1500キロぐらいですか。積む場所においてある去年や一昨年のよく乾いた薪を、別の薪置き場の上の方に移したり、なかなか手間の掛かることですが、スローガンはめざせ「材産家」!
自給用の田んぼのための苗箱をひろげる場所が薪で占拠されているを解放するための仕事でもありました。
2年分の薪がおけるスペースに、薪がぎっしり入っているという幸せをイメージしながら、薪を割ります。狙ったところにオノの刃先がおちるようになるのに2年ほどかかりました。生木の時の重さで、一年に20トンぐらいの薪を燃やしています。
「下界じゃ灯油がまた上がったといって騒いでいるねー」というのが、薪焚き人たちの炉端の会話の定番になりました。
山には薪のもとがありあまっています。この話しはまたいたしましょう。
さて、薪を焚く暮らしの副産物は、薪割りのたのしみと、ストーブのそばでのまどろみと、灰です。プラスチックとか紙とかの混じらない灰は、いまどきかなりの貴重品ですけれど、うちでは針葉樹の灰と広葉樹の灰とを分けています。なぜでしょう。
答え:食べ物用はヤニの少ない広葉樹に限っているのです。
その中でも、カシの木の灰は最上の品です。うちでは、肥料にするほか、ワラビのあく抜きなどにも使いますが、カシの木の灰だけは別にのけておいて、古い友人がやっている沖縄ソバ(スバ)のお店に送っています。
木灰にかぎりませんが、アルカリ分は、小麦粉の腰を強くする働きがあります。それを木灰に頼ってきたのが、伝統的な沖縄スバでした。材としては軽くて弱く、火力もないガジュマルの灰が上等とされてきました。
でも、今日の沖縄では木を燃やした灰は貴重品です。頼まれてカシの灰を送りました。お返しに届いたのは、泡盛2升、タンカン一箱、のーまんじゅうやちーるんこうなどの沖縄のお菓子一式と、木灰スバ10人分肉スープつきでした。ネギまでついていました。
これはすごい!以来、定期的にカシの灰を送り続けています。遠距離物々交換というやつです。それだけではなくて、訪ねて行けば、夜は営業していないから、和室で泊めてもらえるのです。お酒と食事つきです。
以下、オーナーのM子さんから聞いた話です。なんだかとっても腹立たしい話しです。
本物の木灰スバのうわさを聞いて、いろんな人が食べにきてくださるの。
それはうれしいんだけれど、おかしな人も来るのよ。
ある日、石原慎太郎という人が訪ねてきたの。ボディガードみたいな人たちがたしか10人ぐらい一緒だった。人目につかないように、いつもあなた方が寝る3階の部屋に通して、スバの注文をうけたの。全部手作りのうちのスバを人数分もっていたら、このボディガードみたいな人たちが、誰も、手をつけないで、慎太郎ひとりが食べるのよ。
ティーアンダ(手の脂)をこめて作ったせっかくの食べ物を無駄にするなんて、なんてもったいない人たちだろうと思ったのだけれど、結局手をつけないで冷えたスバは棄てるしかないよの。
そのあと、お会計の時、「じゃあ、あとで振り込みますから、東京都に請求してください」といわれたから、私は「いいえ、現金で払っていただきます!」と言って、人数分のお代を現金でいただきました。
(聞き書きここまで)
「もったいない」を絵に描いたような、こんな人のために、僕らの汗の結晶である、うちのストーブの灰が無駄に使われたことを、僕はゆるさない。
その後、ツバルとフィジー諸島で地球温暖化の視察とかいうことで行って、実際はほとんどホテルにこもっていた石原都知事が使った1550万円もの公金の報告などを見ていたら、その中に、沖縄でのスバの代金数千円也も公金から支出されていたということが書いてありました(『週刊金曜日』2007/10/05発売号
(673号))。結局、払った沖縄スバの代金を税金から取り戻したのだということを知ったわけです。東京都民も税金がそんな使い方をされていることを知って「もったいない」怒りを共有してほしいものだ、とおもったことでした。
木灰製造業 安渓遊地
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