廃村熱中人)長崎県長崎市 端島(はしま)をたずねる #軍艦島_#坂本道徳さん__RT_@tiniasobu
2021/02/04
2020年9月2日(水)の『農業共済新聞』に掲載されたHeyanekoさんの廃村旅の記録の6回目(連載はここまで)です。
これから、この続編というべき連載が『しんぶん赤旗』で始まるそうですので、目が離せませんね。
記憶に残る廃村旅 6 軍艦島・孤島の廃都市を訪ねる
端島(はしま) 長崎県長崎市
端島(通称軍艦島)は、長崎市野母半島の沖合いに浮かぶ無人島だが、明治期から昭和40年代まで財閥三菱が所有する炭鉱(高島炭鉱端島坑)として栄えた。狭い島には鉄筋コンクリート(RC)造のアパートが林立した。最盛期の1959(昭和34)年には5259人が住んだ炭鉱都市には、生活に必要なものはすべて揃っていた。
しかし、石炭の枯渇や採算の問題などで74年1月に端島坑は閉山となり、4月には無人島と化した。
2000(平成12)年8月15日、満ち潮の朝、天気は暑いけれども快晴だった。
民宿のモーターボートで上陸した端島では、端島小中学校跡の高い建物が迎えてくれた。学校跡校舎は、58年建設の7階建てで、机や椅子が大量に残っていた。
端島のアパートの特徴として、別のアパートや切り立った崖との間に多くの渡り廊下があり、アパートの廊下も通路同様に使えることがある。特に1918(大正7)年建設の9階建て櫛状のアパート(日給社宅)は、その脇に地獄段と呼ばれる崖を上って行く外付けの階段があり、その崖の上に9階から渡り廊下で行けたり、戦後に建った隣のアパートに行けたりと、その様子は立体迷路のようだった。
それから3か月後の秋、二度目の端島への旅で元住民の坂本道徳さんと出会った。坂本さんは炭鉱勤務の父のもと、小学6年生から高校卒業までの7年間を端島で過ごした。そして「軍艦島を保存、活性化させたい」、「かつて端島にあった暮らしのことを伝えたい」という想いなどから、03年3月、NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」を結成した。坂本さんの想いは、廃村における失われた故郷への元住民の想いと共通する普遍的なものだった。
15年7月、端島坑(軍艦島)は「明治日本の産業革命遺産」にひとつとしてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。その過程において、坂本さんが果たした役割はとても大きい。
浅原 昭生 (Team HEYANEKO 代表)
以下は、『農業経済新聞』で6回分のHeyanekoさんからのメールの抜粋に、このブログでのURLを付け加えたものです。
この連載は、1981年から2000年までの内容でできていて、「出会い」がキーワードです。
第1回 : 廃村そのもの http://ankei.jp/yuji/?n=2487
第2回 : 元住民 http://ankei.jp/yuji/?n=2489
第3回 :
『わが故郷アントゥリ』(安渓遊地さん) http://ankei.jp/yuji/?n=2485
第4回 :
『秋田・消えた村の記録』(佐藤晃之輔さん) http://ankei.jp/yuji/?n=2490
第5回 : 菅沼晃次郎さん http://ankei.jp/yuji/?n=2491
第6回 : 坂本道徳さん http://ankei.jp/yuji/?n=2492
(このページ)
私の廃村の研究(調べ物)は、本業ではないのですが、
多くの方との出会いがあって、今に至っています。
コロナ禍で、元住民への聞き取り(取材)が難しくなり、
「これまで歩んできた道を振り返る」ことになった次第です。
西表島・網取への再訪が叶ったのは、2019年10月のこと。
安渓様から紹介いただいた崎山出身の川平永光さんのインタビューも叶い、
『日本廃村百選』に収めることができました。
もしも2020年5月まで待っていたら、
再訪もインタビューも叶わなかったことでしょう。
今さらながら、タイミングの良さ、運の良さに気がつきました。
以下は、安渓遊地の、心にうかぶよしなごとです。
産業の構造が大きく変わると、それまでは疑いもなく必要とされていた仕事がなくなり、その仕事場だったところも放棄されるということが起こります。ここでHeyanekoさんが訪問された端島も、わが国での石炭産業の終わりにともなう、そのわかりやすい例だと思います。
そして、いま、過疎と廃村を生み出してきた直接の原因である過密都市が、Covid-19のような病気の中で、これまでのような暮らしと働き方が成り立たない場所だということがはっきりしてきましたね。限界都市での日々に見切りをつけて田園回帰を真剣に検討してください。わが家も、アフリカでの経験を通してそのことに気づいて、中国山地の山村でできるだけ自給的な豊かさを大切に生きる努力をはじめて25年余り。Heyanekoさんをはじめ、都市と田舎を行き来する方々の次のステップに期待しています。
廃村ひとすじ Heyanekoのホームページ http://www.din.or.jp/~heyaneko/
Heyanekoの棲み家(へき地ブログ) http://heyaneko.jugem.jp/
みんなでつくる中国山地百年会議 https://cs-editors.site/
以上、紹介は、
安渓遊地@みんなでつくる中国山地百年会議 会員でした。