廃村熱中人)岐阜県本巣市 #越波_(おっぱ)をたずねる #冬季無住集落_#ユッパー__RT_@tiniasobu
2021/02/01
Heyanekoさんの連載記事です。
2020年8月5日(水)の『農業共済新聞』に掲載されました。
記憶に残る廃村旅 2 元住民との語らいのひととき 岐阜県本巣市 越波(おっぱ)
1984(昭和59)年10月、バイクの免許を取得した私は、ツーリングによって山奥にも気軽に出かけるようになり、廃村にめぐり合う機会が多くなった。
87年9月には福井県の自治体規模の廃村 西谷村(69年離村)を偶然訪ねて知った。また、同12月には、岐阜県の大規模ダム建設による廃村
徳山村(87年離村)を目指して訪ねた。西谷村の南隣、徳山村の東隣の根尾村(現本巣市)には、西谷や徳山を訪ねる流れで、泊まりで出かけることになった。
越波は根尾村最奥の集落で、国道からも外れていることから「どんな場所なのだろう」と思いながらバイクを走らせて出かけた。88(昭和63)年11月3日、26歳のときだった。
たどり着いた越波は、川が集落の真ん中を流れ、山中としては開けた集落だった。地図を見るだけではわからないものだ。
小学校分校の校舎前では、おばあさんが豆の皮むきをしていた。ご挨拶をすると「どこから来たかね」、「大阪からです」といった会話が始まった。私も座って一緒に皮むきをしながら話をしているうちに、越波は積雪期(11月~翌年4月)にはすべての住民が村を離れ、里の別宅で過ごす冬季無住集落ということがわかった。のどかなひとときはとても楽しかった。
高冷な越波では稲作は向かず、長らく焼畑による稗や粟を主食としていた。生業は炭焼きをはじめとする林業、養蚕、紙漉きなどだったが、1962年頃から本格化したプロパンガスの普及により木炭の需要は激減した。炭焼きを生業としていた全国の山村は、65年頃から急速に衰退している。調査の進行によって、越波分校の閉校は81年、冬季無住化は70年頃とわかった。
2019(令和元)年5月、初訪から31年経って妻と訪ねたとき、越波分校の校舎は「村民の館」として改装されていた。集落の掲示板にはふるさと便りと年間行事表が貼られていた。寺は維持管理され、初訪のときよりもしっかり建っているように見えた。
浅原 昭生 (Team HEYANEKO 代表)
以上引用終わり。以下安渓のHeyanekoさんへの脱線ばかりの感想のようなものです。
へぇー、おっぱ。全然知りませんでした。ネットでみると、2014年現在、二人の住民登録があるそうで、もと住民の熱い思いと若者のわざで、情報発信もされています。マスコミ露出度も高いのですね。https://neooppa.wixsite.com/oppa/about
半濁音の入る地名は、パナリ新城島、フカパナリ外離島など、宮古・八重山あたりにはたくさんありますが、全国の市町村名などにもあるのですね。https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1085172545 それでもおわりが「っぱ」という地名は珍しいかも。
と思ったらとたんに、沖縄島北部の山中にあった ユッパー という廃村を思い出してしまいました。戦前の地図にも「横芭」として表記されていました(安渓遊地編『廃村続出の時代を生きる』2017年、南方新社 第九章 やんばるの森の別天地──沖縄島北部のユッパー(横芭))。http://ankei.jp/yuji/?n=2288
山の中に村があった頃を知る人のお話です。
……ユッパーには一癖ある者が多く暮らしていました。例えば、負債で追われて逃げてきた人とか、人の妻をこっそり連れてきた人とか。こっちに隠れたら大丈夫ですからね(笑い)。ヤンバルはとても広いし山の中に道がないから、探しにきても見つけきれなかったんです。ユッパーでは、ばくちも盛んでしたよ。沖縄バクチャー(ばくち札)はわかりますかな。花札のようで、一、二、三と数字がついているものでした。一癖はあっても悪い者とか暴力を振るうというような人たちではなく、踊りや芝居なんかも上手な、人情味のある人たちでした。まあ、いうならば、いろいろなジンブン(生きる知恵や技)はあるけれど、世間の競争を逃れた人たちが安心して暮らせる上等の居場所というような雰囲気でした。……
話を戻します。越波の学校で、Heyanekoさんが、「私も座って一緒に皮むきをしながら話をしているうちに」というのが、宮本常一先生式のフィールドワークでよろしいですね。例え話が通じなくても、気持ちは通います。私の場合は、韓国の太田の近くの生態山村で、ドングリの選別をやらせてもらって、おじゃましてるだけのようなこともありますが(http://ankei.jp/yuji/?n=118 の写真)。
続きが楽しみです。
Heyaneko Team のブログ http://heyaneko.jugem.jp/
以上、安渓遊地@生物文化多様性研究所でした。
P音の入る日本の地名_Yahoo!知恵袋.pdf (1,199KB)