メルマガ紹介)パレスチナ最新情報-JSRメルマガ20161030
2016/10/31
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ニュース速報 □■
既報ですが、イスラエルの人権団体「ベツェレム」の代表が国連安全保障理事会
で、西岸地区のイスラエル入植活動を止めるため、いまこそ安保理が「行動すべ
きだ」と訴えたところ、ネタニヤーフ首相から「国賊」といわんばかりの攻撃を
受け、右派政治家からは、「国籍はく奪」を検討すべきとの発言も飛び出しまし
た。
ところが、こうした攻撃後、かえって「ベツェレム」へのカンパが急増したとい
うのです(26日)。
イスラエルの左派系紙 Haaretzは、23日の社説で、ベツェレムのハガイ・アル・
アド専務を全面的に擁護しています。
10/23 Haaretz Editorial
”We are all B’Tselem Head Hagai El-Ad”
http://www.haaretz.com/opinion/1.748785
カンパがどこから来たのか。ここに紹介した記事ではわかりませんが、ベツェレ
ムの主張が波紋を呼んだことは間違いありません。
ちょっと変わったニュースでは、イスラエル籍パレスチナ人女性監督2人のフィ
ルムが、ハイファ─の映画祭で最優秀賞と優秀賞をそれぞれ受賞したとあります
(23日)。機会があれば観たいものです。
以下、23日以降の主要なニュースです。
【10月23日(日)】
■パレスチナ人女性監督2人がハイファ─映画祭で栄冠■
ハイファ─映画祭で、パレスチナ人女性監督が、それぞれ最優秀賞と優秀賞を獲
得した。
最優秀賞受賞は、マハ・ハジ監督の「私的な事情」(Personal Affairs)。作品
は、ナザレに住むアラブの老夫婦と妊娠中の娘、放蕩息子、そして認知症が進む
祖母の物語。審査員は「人間愛に満ち、軽妙洒脱、魅惑的で優しく、地方色と普
遍性を兼ねた人間模様」だと、高く評価した。
優秀賞を取ったマイサルーン・ハムードの「その狭間で-バル・バハール」(In
Between-Bar Bahr)は、テル・アヴィヴに同居する、イスラエル国籍の若いパ
レスチナ人3人の話。「自らの運命を開こうと闘う女性たちの競争、友情、勇気、
自由とそのための対価を描いた活力ある作品」が評価された。
ハジはナザレ、ハムードはテル・アヴィヴ在住。両監督ともイスラエル市民権を
持つが、自ら「パレスチナ人」と名乗っている。(10/23 Haaretz)
編集者は、映画評には詳しくないので。英語の原文に当たりたい方は:
http://www.haaretz.com/israel-news/1.748874
【10月24日(月)】
■UNRWA事務局長「シリア内戦で『二重難民』が続出」■
来日中の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のピエール・クレヘ
ン」ビュール事務局長が同日、毎日新聞の取材に応じた。シリアのパレスチナ難
民のうち50万人近くが、シリア内戦によって再び避難生活を強いられ「二重難
民」となっている現状を指摘、「数世代にわたり苦難が続き、心理的な影響も深
刻だ」と強調した。
同事務局長によると、1948年のイスラエル建国や67年の第3次中東戦争でシリア
に逃れたパレスチナ難民とその子孫は計56万人。うち約36万人がシリア国内で避
難を余儀なくされたほか、かなりの難民がレバノンやヨーロッパに逃れた。周辺
国での受け入れ役は同じパレスチナ難民が担うことが多く、「経済的にも非常に
厳しい状況」という。
また、中東全域で520万人に上るパレスチナ難民について、若者の高失業率が
「社会不安を招いている」と指摘。「国際社会が、教育支援と並行して雇用確保
や自立支援に力を入れることが大切だ」と訴えた。(10/25 毎日)
【10月25日(火)】
■イスラエル当局、パレスチナ人15人を拘束■
ハラム・アッシャリーフを管理するワクフ当局や各地の関係者などによると、イ
スラエル治安部隊は、前日未明から25日朝にかけ、東エルサレム地区や西岸地区
各地で、少なくともパレスチナ人15人を捕まえた。
エルサレム旧市では、ハラム・アッシャリーフの詰め所に勤務中の警備員、若者
5人が拘束され、ベツレヘム西方のナハーリーン村では、14歳~16歳の少年3人
が捕まった。このほか、ラーマッラーのアル・アマリー難民キャンプ、ラーマッ
ラー地区のデイル・アブー・マシャルでもそれぞれ1人が拘束され、その他の各
地でも家宅捜索や逮捕が行われた。(10/25 Maan News)
■ナビール・シャアス「全面的イスラエル・ボイコットを」■
パレスチナ自治政府の元首相代行などを務めた、ファタハのナビール・シャアス
国際問題担当(International Relations Commissioner)は、同日のアラブ・ウ
イークリーとのインタビューで、「イスラエル商品ボイコットが武器だ」と訴え
た。
「和平プロセスは失敗。夢から覚めるべき時が来た」「権利は与えられるもので
なく、勝ち取るもの」で「イスラエルの陸海空軍に勝るわれわれの武器は大衆行
動だ」とシャアスは語った。
和平仲介役のアメリカやフランスについては、「イスラエルに圧力をかけること
ができていない」と批判。「イスラエルは、占領継続が、それを手放すことより
高くつくことを知らなければ、占領を止めないだろう」と語り、イスラエル製品
ボイコットをさらに進めるべきだと強調した。(10/25 Maan News)
【10月26日(水)】
■一家放火殺人事件の犠牲者を愚弄したイスラエル人を訴追■
イスラエル検察当局は、昨年の放火殺人事件で犠牲になったパレスチナ人家族の
写真の前で、ライフルとナイフをかざしてダンスしていた、極右のイスラエル人
13人を訴追した。
昨年12月に、エルサレムで行われた結婚式に続くパーティーに出席していた、新
婚夫妻を含む13人は、「モスクは燃える」「モスクは爆破される」と歌いながら
ダンスをし、(昨年7月に)焼殺された幼児(当時18か月)の写真をナイフで刺
したり、ナイフやライフルを振り回したりした。この様子を撮影したアマチュア
の動画が、イスラエルのテレビで放映された。
ネタニヤーフ首相は、「誰であれ、テロは許せない」と語った。
放火殺人事件は、昨年7月、西岸地区ドゥマ村で発生、幼児と両親の3人が死亡。
21歳の入植者が、人種主義的動機による殺人罪で起訴、従犯の未成年者1人が訴
追されている。(10/26 Reuters)
【10月27日(木)】
■首相、右派からの攻撃でベツェレムへの寄付金が10倍に■
同日のPalestine Chronicleなどによると、イスラエルの人権団体「ベツェレム」
に対する、ネタニヤーフ首相や右派勢力による攻撃の激化で、逆にベツェレ
ムへの寄付金が激増している。
「ベツェレム」のハガイ・エル・アド専務は、国連安保理特別会議で、イスラエ
ルの入植活動を止めるため、安保理の「言葉だけでなく行動が必要だ」と演説。
これに対し、ネタニヤーフ首相は「利敵行為」だと激怒した。その一週間後、
ベツェレムへの募金は5倍に急増した。
さらに、24日、与党リクードのダヴィド・ビタン・クネセト(イスラエル国会)
議員が、「チャンネル2」テレビで「ベツェレム専務の国籍はく奪の可能性を、
内相に尋ねることを考えている」と発言した後、募金は10倍になった。寄付の提
供は、団体より個人からのものが圧倒的に多いという。
(10/27 Palestine Chronicle, MEMO)
【10月28日(金)】
■ガザ地区の「緩衝地帯」でパレスチナ人3人が負傷■
ガザの保健省報道官によると、イスラエルとガザ地区の境界地帯で、パレスチナ
人3人が、イスラエル軍との衝突で負傷、病院へ搬送された。うち2人は、ガザ
市東部、1人は、ガザ地区中部のアル・ブレイジ難民キャンプで負傷した。
ガザ地区の住民は、毎週金曜を「エルサレム・インティファーダ」連帯の日とし
て、イスラエルがガザ地区内に一方的に指定する「緩衝地帯」でデモ、イスラエ
ル軍は発砲で応じている。
昨年10月以来、ガザ地区ではパレスチナ人29人がイスラエル軍に殺され、また、
今年だけで、177人のガザ住民が、イスラエル軍の発砲などで負傷している。
(10/28 Maan News)
■イスラエル警察、東エルサレム地区の主要道路を閉鎖■
イスラエルは、東エルサレム地区ラセム・ウベイダート村のメインストリートを、
コンクリートブロックで閉鎖した。同村の関係者は、「集団的懲罰だ」と非難し
た。
イスラエル当局は、同村からイスラエル人の「アルモン・ハナツィヴ」入植地へ
向け花火が打ち上げられたとしている。
この道路は、5000人以上が通学路として利用しているという。
(10/28 Maan News)
【10月29日(土)】
■ナーブルス近郊のキャンプでPA治安部隊とキャンプ住民が武力衝突、
3人が負傷■
パレスチナ自治政府治安当局や地元筋によると、ナーブルス近郊のバラタ難民キ
ャンプで、「逃亡者」の逮捕に向かった治安部隊と、武装したキャンプ住民が衝
突、砲弾の破片などで、住民2人と治安部隊の1人が負傷、病院へ搬送された。
武力衝突は、午前2時ごろ、キャンプに近い墓地で始まり、ライフルや機関銃、
手製爆弾などが使われた。
この衝突のため、同日、ナーブルスで予定されていた、バラタキャンプ・チーム
とベツレヘムのチームとのサッカー試合は延期された。
ナーブルス県では、治安部隊により、「違法な武器」狩りが続いており、8月と
9月にも、治安部隊と武装パレスチナ人の衝突で死者が出ている。
(10/29 Maan News)
【10月30日(日)】
■西岸アリエル入植地付近で交通事故、4人死亡、4人が重傷■
西岸地区のアリエル入植地に近い幹線道路で、クルマ同士が衝突、男女合わせて
4人が死亡、さらに4人が重傷を負った。重傷者は、イスラエルのヘリとマーゲ
ン・ダヴィド・アドム(イスラエルの赤十字に該当)とパレスチナ赤新月社の救
急車で、イスラエルとパレスチナの病院へ搬送された。
(10/30 Jerusalem Post)
(出典:Haaretz、Jerusalem Post、Maan News、MEMO、Palestine Chronicle、
Reuters、毎日)
<注1> 2007年以来、事実上分裂状態にあったパレスチナ自治政府は、2014年
6月、統一内閣を発足させました。統一合意では、暫定政府のもと、6ヶ月以内
にPLC(パレスチナ立法評議会)と大統領選挙が行うことになっていました。
期限を大幅に過ぎましたが、選挙準備も、西岸・ガザ地区の行政機構の整理統合
も進んでいません。関係者のタイトルなど、一貫性に欠けることもあると思いま
すが、ご了承ください。
<注2> 2012年9月の国連総会決議で、パレスチナは、国連の「オブザーヴ
ァー国家」として承認されました。「パレスチナ国家」「PLO」「パレスチナ
自治政府」の関係がどうなるのか、国際法的にも微妙な問題があります。パレス
チナの組織やパレスチナ人の役職などをどう表現するか。この点についても、そ
の都度判断することにします。
<注3> 各ニュース記事末尾の(カッコ)内は、その主なニュース源です。必
ずしも、元の記事の翻訳や抄訳ではありません。とくに断らない限り、Webサイ
ト上の情報です。日本語ニュースの場合、固有名詞の表記などは、編集者の判断
で変えることがあります。
■□ コンサート □■
■◇■アッサラーム コンサート──東北復興祈念■◇■
By ハッサン モァタズ & 末永匡
エジプトのチェリストと日本のピアニストの共演です。
陸前高田(11月16日)、仙台(17日)、東京・杉並(20日)、滋賀県・栗東市
(23日)
■陸前高田コンサート
★会場:シンガポールホール(陸前高田コミュニティホール)
(〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町字栃ヶ沢210-3)
★11月16日(水)18:30開演 (18:00開場)
★全席自由/入場無料
★主催:ハッサン・末永匡プロジェクト
後援:国際交流基金、陸前高田市教育委員会、岩手日報社、東海新報社
★お問い合わせ:エジプトの会(陸前高田)TEL:0192-55-3746
★曲目 ♪バッハ「無伴奏チェロ組曲」より
♪ドビュッシー「チェロとピアノのためのソナタ」
♪リスト「バラード第2番」
♪サン=サーンス 組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」
その他
(ほかの会場でもほぼ同様のプログラム)
■仙台コンサート
★会場:宮城学院女子大学 音楽館ハンセン記念ホール
(〒981-8557 宮城県仙台市青葉区桜ケ丘9-1-1)
★11月17日(木)18:00-19:30
★主催:宮城学院女子大学学芸学部音楽科
★共催:ハッサン&末永匡プロジェクト
★後援:国際交流基金
★お問い合わせ: Tel/Fax 022-277-6130
Email: music
◎
mgu.ac.jp
(◎を@に変えて送信)
★入場無料
■東京・杉並コンサート
★会場:ソノリウム (〒168-0063 東京都杉並区和泉3-53-16)
アクセス:京王井の頭線「永福町駅」北口より徒歩7分。
または東京メトロ丸の内分岐線「方南町駅」下車徒歩10分
★11月20日(日)18:30開演 (18:00開場)
★入場料¥3,000/全席自由
(コンサート終了後、演奏者との懇親会を予定。)
★主催:ハッサン&末永匡プロジェクト
★後援:国際交流基金
★お問い合わせ:TEL03-5934-7885/090-1852-6267 谷口
■滋賀県栗東市 アッサラーム コンサート-エジプトの風にのせて-
★会場:栗東芸術文化会館さきら小ホール (〒520-3031 栗東市綣2-1-28)
★11月23日(水・祝)13:00開演 (12:30開場)
★入場料:大人2,000円、高校生以下1,000円、栗東音楽振興会会員1,500円
★主催:栗東音楽振興会(RISS)
★共催:ハッサン&末永匡プロジェクト
★後援:栗東市教育委員会・国際交流基金
★チケット取扱い:電話での予約 077-551-1455
<演奏者プロフィール>
◆ハッサン モァタズ エル モッラ (Cello)
・9歳でカイロ音楽院に入学。10代でエジプト国内の数々のコンクールに優勝。
・1997年にはロストロポーヴィッチ国際コンクールで入賞する。
・1997年ドイツのシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭オーケストラのメン
バーとして活動。
・1999年にはダニエル・バレンボイムとエドワード・サイードが牽引するウェス
ト=イースト・デイヴァン管弦楽団に参加。
◆末永 匡 (Piano)
・桐朋学園音楽大学、ベルリン芸術大学、フライブルグ音楽大学、モーツァルテ
ウム音楽院で研鑽を積む。
・2006年ドイツ演奏家国家資格取得。今日までヨーロッパ、中東、アジアでの国
際的な演奏活動を続けている。
・2009年東京文化会館にて日本演奏連盟・文化庁主催でソロリサイタルデビュー。
・「音楽の国際(社会)貢献、文化交流」というテーマでも積極的に活動してい
る。
■□ 編集部から □■
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ついてのレヴュー
◆PRCS(パレスチナ赤新月社)総裁とリハビリ部門責任者からのメッセージ
◆JPMA25年の略史、詳細な活動年表
◆現地ヴォランティアとして活動していただいた方々や当会メンバーによる
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編集人:奈良本英佑
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