地元が先生) 2002年度山口県立大学共通教育「地域問題」授業での学生の声(その3) RT @tiniasobu
2013/12/08
さらに続きです。
地域問題 2002年7月19日 アフリカに学んだこと 安渓遊地・安渓貴子
の感想・質問
授業
交流会だったので、ちょっと、いつもと違う雰囲気が味わえました。いいですねぇ、
こういうの。(Uさん)
地域問題の授業をとって、いろいろな発見がありました。身近なところでも知らな
い事が、たくさんあって勉強になりました。たくさんの出会いもあったし……。(K
さん)
後期には、こんな授業ないんですか。(Nさん)←安渓遊地担当の環境問題(水曜
日3コマ目)をどうぞ。4人ですが、外部から講師をお呼びします。例によって公開
授業です。
積極的に自分にプラスにもなり、マイナスにもなる、あらゆる経験をしないといけ
ないなぁと、思いました。地域問題の講義を取って、私の将来は、まだまだいろいろ
な可能性がある、と感じた。自分の足元を見つめ、この大学で土台をしっかり固めら
れたらいいと思う。(Aさん)
疑問
質問:米を作るときに米をまくとおっしゃられましたが、苗とか作らなくてもちゃ
んと育つのですか?(Iさん)←育ちます。森を開いた焼畑には、雑草の種子がない
ので、じかまきでいいのです。(遊)
何で、子供はどんどん死ぬんですか。(Tさん)←日本ではとっくに克服された、
はしかやポリオなどの伝染病。または、単純な下痢、体力が低下したところでかかる
マラリアなど。出生児に母親から感染するエイズの赤ちゃんもいます。
先生が行かれていた約100人の村、結婚相手は村内で選ぶのですか?(Nさん)
←そうとはかぎりません。700キロも離れた隣の国のルワンダから来ているお嫁さ
んもいました。村の親族のネットワークは、大まかにふたつに分かれていて、嫁のや
りとりをしあう仲になっています。
「目から鱗」のアフリカ
「目から鱗」と、言われたように、本当のアフリカは、とても豊かなんだと思いま
した。確かに問題もあるけど、学校で習ったりするときは、その部分ばかりクローズ
アップされていて、暗いイメージが植え付けられてしまったんだなぁ、と思いました。
(Hさん)
自分が見ていたアフリカは、狭いものだと痛感しました。(Aさん)
行ってみたいです。料理食べたい。貴子さん作って下さい。(Sさん)←12月14日、
15日の「きっと好きになる!アフリカ」のお料理ワークショップへおいでください。
準備からいっしょにやらない?(貴子)
貴子先生が、アフリカの人の絵を、何の意識もなく、黒く塗らなかったことに、感
動しました。コミュニケーションに肌の色など、関係ないじゃん、ってつくづく思い
ました。(Hさん)
焼き畑農業は悪だ!!とよく言われ、私も「そうかも……」って軽く受けとめてい
た。「環境破壊につながる農業の体制が、こんなに長く続くワケがない!!」という
言葉に、すごくすごく納得でした。まさにその通り!!!(Aさん)
いっぱぁーいいる家族が、とってもあったかくて、うらやましく感じました。一つ
一つの写真からあふれてくる人や、自然に対する優しさや愛情を、いっぱい感じるこ
とができました。(Aさん)
今日の講義でアフリカの実際を知ると共に、国際理解のあり方を、考えさせられた
と思います。これからは、自国(日本)を基準にして考えることを、やめたいと思い
ます。(Aさん)
自分の中で勝手に、アフリカという国を想像してたけど、自分の思いこみが差別に
つながるんだなぁ、ということに気付きました。(Iさん)
父親は1人の方がいいと思うのは、私が日本人だからでしょうか。←そうです(^o^
;;)。
アフリカの森の豊かさ日本の貧しさ
塩のみを村の外から買って作る料理の数が、2099品目あると聞き、3品目と書
いた私が、とても恥ずかしかったです。知らず知らずの間に、アフリカの人は貧しく、
自分達よりも劣っているという意識が、植えつけられていたということを、痛感しま
した。(Aさん)
何種類か、日本でも作れるような料理を教えて下さい。(キャッサバをジャガイモ
で代用したりとかして……。)
ビデオで「灰汁」と書いてありましたが、どんなものなんですか。(Aさん)←植
物を燃やした灰の抽出液です。アブラヤシのとげの部分とか、バナナの皮とかが味が
いいようです。(遊)
自分で、ニワトリをさばいたりというのは、私には絶対無理だろうなと思います。
(かわいそうで殺せない)私たちが、人に甘えすぎているのかなと思いました。(N
さん)←やってみれば?(D)
私たちは牛の肉も魚も、パンも食べるけど、直接自分が関わって口にしている物っ
て、ほとんどないんですよね。きっと、このままじゃ日本という国は、なくなってし
まうと思います。(Sさん)
朝日新聞の天声人語に、「高齢の人の食生活はよくなったと言うが、若年層は悪く
なったという」と書いてありました。日本の食品は、ほとんど添加物で味付けされて
いるので、本当の味を知らない……。(Kさん)
「名誉白人」という過去とグローバル化の現在
子供のころに、南アフリカに旅行に行った時、人種差別のすごさに驚いたのを、思
い出しました。僕は日本人なので、白人扱いだったのですが、やはり有色人種なので、
変な目で見られたのを今でも覚えています。(Iさん)
「名誉白人」と言われていたとしても、ヨーロッパに行けば、(日本人への)人種
差別は山ほどあるそうです。「海外で差別されたことありますか?はだかの名誉白人」
より。
「日本人はバナナ(名誉白人)」という言葉に、ズキッとした。「肌は黄色いのに
中身は白い」アパルトヘイトの制度は、ひどいものだったと高校で習い、許せないと
思っていたが、私たちもその一員として、見られているのだと思った。←今、南ア最
大の都市「ヨハネスブルグ(国際空港がある)」は、相変わらずの生活格差によって、
現地在住の白人に対する迫害が強まっています。そういう状況なので、今、ヨハネス
ブルグの治安は3年前と比べても、かなり悪いとのことです。(入力者D)
アフリカに対して、植民地支配は確かにしなかった。それでさえ、「どうせ白人は
白人よ。」と言われたのなら、実際、日本が占領した、中国・朝鮮の人は、私たちに
何というのかなぁ……。(Kさん)←それを考え、耳を傾けてもらいたくて、中国と
韓国の学生を迎えたグローバル交流の時間にわざわざあの話題を出したのでした。
日本人は、白人に対してごきげんを取り、他の国には白人の「権威」を振りかざし
て、あたかも白人のように振る舞っている。本当に素晴らしいものは、どんな国々、
人々にもあると思う。お互いにそれを認め合って、尊敬し合う心が欠けているのでは
ないだろうか。(Nさん)
グローバル化に伴って、良い面もたくさんありますが、豊かな国はますます富んで
ゆき、貧困に悩んでいる国は、どんどん苦しくなってゆく。それを考えなおし(高い
地位の人だけで、話し合うのではなく)、みんなが、先生の写真にあったように、コ
ンゴの人々の楽しみを感じられる、生活をしたいと思います。(Sさん)
力によって行われた環境保護によって、結果として起こった環境破産!!ゾッとす
るようなことが世界で起こっていることに、初めて気付かされた。(Hさん)
つながりを感じることから
つながりを感じることが、大切なんだと思った。それを根っこの所に持っているこ
とによって、不安や混沌に溺れないで、しっかりとゆっくりとした足どりで、歩いて
いけるのかなぁ。(Iさん)
「お父さん・お母さん・弟・兄・姉・妹、みんなが家族」って考えをみんなが持っ
てたら、世界中のみんなが家族になれるのにな。(Iさん)
思い込まないで、新しい視点を持つことを、全世界の人が実践していけたら、それ
が本当のグローバリゼーションに、なるのではないだろうか。(Oさん)
大陸は違っていても、海で世界はつながっているんですよね。まずは、足下から良
くしていくことが大事なんだと、わかりました。(Kさん)
地球上で起こっていることは、全部私の問題で、私のすることも、地域に、世界に、
そして地球につながっているんだということを、感じました。そして私たちのするこ
とは、未来に生きる人たちにも、つながっているという事も、忘れてはいけないと思
いました。/先祖が生きてきた、私たちが生きている、そして子孫が生きる、この地
球を、これ以上壊していけないと、思います。(Sさん)←Sさん、ありがとう!「
自分さえよければ」「今さえよければ」では絶対にいけないという、気づきの重さに
押しつぶされそうな気になることがあるかもしれないけれど、毎日のかろやかな取り
組みを通して手をつないで自分を、地域を、そして地球の未来を変えて行きましょう。
(遊)
国とか旗の色とかを越えて、つながることもできるのだなぁと、改めて思いました。
(当たり前ですけど……)(Aさん)←いやいや、その当たり前が分からない人もい
るんですよ……。(D)
果たして私は?
内戦があったり、人口爆発が起きたり、生きていることが一生懸命な人たちの姿は、
胸を打たれます。果たして私は一生懸命生きているでしょうか……?(Mさん)
「Clean your garder you first」という言葉が、心に響いた。大きな事はできな
くても、小さなことから何かを仕掛けたい。「ちりも積もれば山となる」って言うし、
何かやっていれば、どこかで役に立てる。自分も地球で生きているって思えるから…
…。1人でも多くの人の笑顔が増えますように!!(Yさん)
これから自分がどう生きていけばいいのかとか、どんな役目を果たすために生まれ
てきたのかとか、考えるようになってきました。自分が誰かに頼ること、そのかわり
誰かの支えになるということが、私の生き方じゃないかと思いました。(Hさん)
同じ地球に住んでいながら、勉強したくてもできない人たちがいる。私は大学で学
べて、幸せだと思う。(Iさん)←その幸せをわかちあいましょう。そのために宮沢
賢治さんのことばをお贈りします。「農民芸術概論綱要」(1926年)より。「世
界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない/正しく強く生きるとは
銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである/われらは世界のまことの
幸福を索(たず)ねよう/求道すでに道である」最後のことばは、わかりにくいかも
しれませんが、メーテルリンクの「青い鳥」、アニメ「魔女の宅急便」のイメージソ
ング「めぐる季節」中の「幸せを探す人が一番幸せ」と言い換えればわかるかしら。
地域問題の授業に引きつけて言えば、次のような意味ではないでしょうか。「地域の
さまざまな問題を知って、それを解決するために取り組み続けていく決意をしたあな
たがいま、ここにいる(求道)、そのことが、地域の未来であり、若い後継者がいな
いという地域の最大の問題の解決そのもの(道)なのです」参考文献・鳥山敏子『賢
治の学校――宇宙のこころを感じて生きる』サンマーク出版。(遊)