わが師わが友)出すぎる杭の村田久さんをいたむ #Kitakyushu #Bukit_Merah #Mitsubishi #ARE RT @tiniasobu
2012/10/07
『北九州かわらばん』やそれをひきついだ『田をつくる』のミニコミを出し続けた村
田久さんが、8月に急逝され、その追悼の集まりのために、小倉に来ています。
追悼集の乗せていただいた文章と、山口大学や山口県立大学に授業にきていただいた
時におあずかりした写真などを共有させてください。
出すぎる杭は打たれない
安渓遊地(あんけいゆうじ)・安渓貴子
村田久さんと和子さんには、何度も山口県立大学の「環境問題」という授業に、非
常勤講師として来ていただきました。マレーシア・ブキメラ村で起こったARE社によ
るトリウム汚染と、三菱化成(現在の三菱化学)に対する企業内告発といういばらの
道を歩んできたお話を学生たちは熱心に聞き入りました。中途半端に出る杭は打たれ
るけれど、出すぎる杭は、仕事さえきちんとこなしていれば、企業の中でも打たれる
ことはない、というお話はたいへん若者たちの心に残るものでした。お二人がおっしゃ
った言葉を噛みしめながら、久さんの志やお二人の思いが、若い人たちにも受け継が
れていくように今後も努力したいと思っています。
授業の終わりに、久さんは、このようなはなむけの言葉をくださいました。
70代に入って老いを痛感している毎日ですが、若い人たちに言っておきたいこと
があります。どこかで決断を迫られることが一生のうちに何度かあると思います。好
きな人ができたとか、これを選んだら「仲間はずれにされるのではないか」というよ
うな決断ですね。その時に、あまり世間体だとかなんとかということにこだわらずに、
自分の心の声に従ってください。それによって、人生は大きく変わると思います。逃
げずに真剣に考えていただきたいと思います。人間は変わる。60歳になっても70
歳になってもそれはある。当面の利害関係だけにとらわれず、どう生きていくのか、
ということをご自分で考えて、選んでもらいたい。それを、若いみなさんへのはなむ
けの言葉にしたいと思います。
和子さんのお話は、こんな強いことばで締めくくられました。でも、久さんの思い
を大切にするみんなで手をたずさえて、ゆっくりゆたかに生きていきましょう!
「いつか、早晩流れは変わる。こんな不当なことが続くはずはない」と自分
に言い聞かせながらやってきました。そうやってできるかぎり誠実に一生懸命生きて
きました。だから、わたしの命が今日で絶えても満足して死んでいけると思っていま
す。
*お二人の講義録の全文は安渓遊地・安渓貴子編、2009『出すぎる杭は打たれない
――痛快地球人録』みずのわ出版に掲載されています。