ゼミ生からの報告)ソウルの食肉市場で思い出す ハンスレ ペブルニャ (毎日少しずつでも続けていくことに意味がある) #seoul #korea #yamaguchi #chingu RT @tiniasobu
2012/09/21
安渓ゼミの4年生、李由紀さんからのレポート。メも ハも ハナも あり、やが
てりっぱな ミになるでしょう。以下引用です。
マジャン食肉市場のレポート第二弾の報告です。
二日目は普段より早めの午前10時に到着しました。
時間帯を少し変えるだけでも、市場の雰囲気はいつもと異なりました。運搬トラッ
クから大きな枝肉を一人で店内にかつぎ込む職人は、バランスを崩せば怪我もする
し商品である肉にも傷が入るのでとても神経を使っているように見えました。一度呼
吸を整えて一気に台まで運ぶ作業にもまた見惚れてしまいます。
訪れた9月初めはちょうど日本でいうところのお盆前の時期なので、地方へ送るギ
フトの注文があちこちから入っていました。真空パックにしているところ、実際に買
い付けに来ている客もいて活気がありました。
うろうろ見学をして、論文の主人公たち(マジャンオールスターズ)へ会いに行きま
した。
こちらも変わらず忙しそうでしたが、そんな中でも「前回のスンデは美味しかった
か?」「今日も買ってやるからみんなでわけて食べろよ」とまずはごはんの心配をし
てくれます。
そしてハルモニは「日本への土産として持たせたい肉や頭の骨なんだけど、やっぱ
り検査の対象になるんだと。残念だねぇ。家族にも食べさせてやりたいだろうに」と
惜しんでいました。その代わりに、今日のスンデはハルモニが買ってやる、とおっしゃ
っていたのですが二人で話し込んでいる間にアジョッシが黒いビニール袋に包まれた
温かいスンデを持って登場しました。そして「マジャン食肉市場内で一番うまいぞ」。
そのスンデを、淹れてくださったコーヒー片手に、手作りのヤンニョムと一緒につ
まみました。
添付している写真に目玉のものがありますが、これはソウル大学医学部の学生の実
験に活用されるそうです。マジャン食肉市場の牛や豚の目玉はこのように無駄なく利
用されていきます。またハルモニによると、牛の歯は入れ歯材料になるとか…人間の
ものよりしっかりしているそうです(これは本当かどうかわかりません)。
夏場は副産物(内臓等)を綺麗に洗浄してから、氷水につけて保存しています。やは
り冬と違い傷むのがはやいからです。血液などもそのままにしておくとにおいがする
のですぐにホースで作業台を洗浄します。
そういえば、一回目の訪問後に韓国人の知り合いにマジャン食肉市場でインタビュー
を継続して行っている話をしたところ、冗談混じりでこんなことを教えてくれました。
昔、土地の利権を巡って市場の職人たちとヤクザがよく争っていたそうです。ソウ
ル市内の在来市場はほとんどが職人たちの不利な状況に事が進んでいったようなので
すが、マジャン食肉市場の職人たちはは怯まなかったとか。相手を根負けさせた結束
力と恐ろしさがあったといまも語り継がれているのだそうです。
私が三月の帰国直前に、借りていたワンルームの大家との間に問題が起きて悩んで
いたときに「何かあったらいつでもワシらに言いなさい」と後ろ盾になってくださっ
たのを思い出させるエピソードです。この話を聞いて、やっぱり屠畜に携わる人たちっ
て怖い……と感じる人もいるかもしれません。私の場合は、親身になって「ウリ(私た
ち)」のことだと考えてくれる情のある職人たちだなあと受け止めています。
また、論文の中間発表が終わって少し中弛みしていた私に「ハンスレ
ペブルニャ(毎日少しずつでも、続けていくことに意味がある)」の大切さをあら
ため
て確認させてくれる再会でもありました。この韓国のことわざを教えて下さったアジョ
ッシには今回はお会いすることができませんでしたが、ハルモニたちが実体験を踏ま
えて説いてくれました。
次回このマジャン食肉市場を訪ねるのは、卒業論文が完成し、韓国語に翻訳しおわっ
たときかな……
これが実現できるように後期からまた気を引き締めようと思います。
ご指導よろしくお願いいたします。