# 上関原発 予定地だった海) #スギモク がゆれて #金色の野 になり、#青き衣の者 が降り立つのをまっています RT @tiniasobu
2012/04/16
中国新聞2012年4月8日 一面まるごとの記事です。
私もちょこっと登場しますが、主役はあくまでスギモクをはじめとする生き物たちで
す。
命のゆりかご 瀬戸内の多様な生態系
’12/4/8
<36>黄金のスギモク 小さな湾 日本海のよう
不思議な海藻のスギモク。早春、山口県上関町の長島沖には黄金色の「草原」が広
がる。この時期、水深3メートルほどの砂地で寝ている体を起こす。子孫を残すため
生殖器官に空気をためるのだ。秋田県など日本海側で見られる褐藻がなぜか、瀬戸内
海の小さな湾に群生している。
「お宝発見と思った」。海藻研究所(福岡県新宮町)所長の新井章吾さん(56)
は、6年前に群生を確認したときの鼓動が今も波打つ。瀬戸内海では大分県の姫島沖
に次いで約70年ぶりの発見。幅約10メートル、長さ約40メートルにわたってい
た。一帯の浅瀬は、中国電力が原子力発電所の建設計画で埋め立てを予定している。
辺りの海は、豊かだ。群生地に向かう船上から、イカナゴの群れに迫るスナメリを
見掛けた。絶滅の恐れがある海鳥カンムリウミスズメがすみ、新種の巻き貝も見つかっ
た。瀬戸内海ならではの食物連鎖が繰り広げられる場でもある。
「無数の生き物に見つめられている感覚に襲われた」。環境問題や文化人類学を教
える山口県立大(山口市)教授の安(あん)渓(けい)遊地(ゆうじ)さん(60)
は、長島の浜辺で立ちすくんだ。自然への畏敬なのか。「生物の研究者がみなとりこ
になるのが分かる」
関門海峡から潮に乗って入り込んだスギモクも、長島辺りに特有の環境で生き残っ
たとみられる。「まるでミニ日本海」と新井さんは群生地を指さす。深場の冷たい水
が巻き上がる影響で夏でも水温が低い。冬場も季節風が吹き抜けて波が高く、海底の
砂が動くのも好都合という。海が生きている証左だ。
水質汚染や埋め立て、海砂採取で生き物のすみかが奪われた瀬戸内海。「長島周辺
は人間にとっては不便だから残った最後の楽園。いつか瀬戸内海を以前の姿に戻すた
めにも、大切な遺伝子を守りたい」。安渓さんは力を込めた。(写真・高橋洋史、文・
衣川圭)
<スギモク> ホンダワラ科の褐藻で、姿がスギの葉に似ている。長島沖では2~
3月の繁殖時期に水中で体を立ち上がらせる。北海道や東北、北陸地方の日本海沿岸
や朝鮮半島に分布。瀬戸内海での生息は、周防灘の一部に限られるとみられる。
<上関原発建設計画> 中国電力が山口県上関町の長島で、海面を埋め立てるなど
して原子力発電所を建設する計画。1号機を2012年6月着工、18年3月の運転
開始を目指していたが、福島第1原発事故を受け11年3月から造成工事を中断して
いる。
【写真説明】海底まで届く日差しを浴び、黄金色に輝くスギモク。空気をためた米粒
大の生殖器官が稲穂のように揺れる
http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/yurikago/Iy201204080001.html では
動画もついています。
動画