研究者はいま何してる?)役員推薦・大きな学会の小さなできごとの物語2 #gakkai #senkyo #eco RT @tiniasobu
2012/02/25
これは、学会の中でまじめにやっていた自然保護関係のボランティア委員を、
「彼には
やめてもらうことになりました」と、知らせるメールを、直接ではなく、CCでもらっ
ちゃったとき、直接言われていないのだからと、にこにこして過ごすという、「平和
のレッスン」のための覚え書きメモです。
学会というのは、研究者の集まりです。会員数4000を超えるような所帯の大きな学
会になると
それなりに大きな社会的影響力をもったりします。
私の属している自然系の学会では、社会的貢献というか、研究者の集まりとしての
社会的責任を果たすということで、さまざまな自然保護案件について「要望書」を決
議するという
取り組みがあります。
私も、中国四国地区選出の委員として、10年ほどいろいろ取り組んできました。ね
ばりづよい取り組みの結果、かろうじて残された渓畔林を荒らす恐れのつよい
林道整備計画を広島県が放棄するに至ったことなどは、私のこのサイトで、Victory
をキーワードにして検索していただければ出てきます。
さて、「直接言われないことには答えない」ということを、生き方の根本において、
噂話などとは無関係に、世間知らずとして
涼しくくらしてきた私でしたが、
その原則からCCメールで届くものについても、なるべく口出し(横レスっていうん
ですってね)をしないように気を
つけています。
ところが、昨24日にこんなメールがCCで来てしまったのでした(固有名詞はふせて
あります)。
(引用開始)
「○○学会中国四国地区会県幹事・幹事様
(cc安渓様)
3月の学会までに、地区会推薦自然保護委員を本部に連絡しなければなりません。
それで、以下としたいの
で、ご了解いただきたいと存じます。新委員には同意を頂いております。議決は私を
含め9県幹事と庶務・会計
幹事、11名の投票になります。なお、会長の私は最後の投票者です。賛否をお送り
下さい。
案:
○○○○(キーワード:海洋、瀬戸内海、沿岸、動物、四国:留任)
○○○○(キーワード:陸上、中国山地、半自然草原、湿原、絶滅危惧植物、植物、
中国:新任)
交替
安渓遊地(キーワード:瀬戸内海、上関、沿岸、中国:退任→アフターケア委員継続)
半自然草原をはじめ陸上の絶滅危惧植物の問題は極めて緊急であるため、○○氏を新
任とし、安渓氏には上関を
引き続き対応してもらう。メンバーを重厚にするのが目的です。
以上、よろしくお願いいたします。」
(引用終わり)
「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)なしで、いきなり委員交代を本人がCCメー
ルで知るというのはかなり珍しい新種のメッセージの送り方です。しかも、自然保護
の委員会で組織した「アフターケア委員」(学会の要望書が社会的影響力をもつよう
に、環境大臣や県知事に手渡しに行ったりする仕事)の継続まで指示してあるとは、
その委員会の人たちが知ったら、絶滅危惧の珍種扱いされるかもしれません。
なにかあったのでしょうか。 何があったのでしょうか
考えている時、どこからともなく、こんなメールの写しがとどきました。
はー。これが、オリジナルだったのですね。たぶん、学会の内部で、これでは非民
主的といわれて、”民主的”に役員の意思を尋ねることに変更さ
れたのでしょうね。
「学会が近づいたので、自然保護専門委員会委員(2012.4-2014.3)の地区会会長
推薦をいたします。少し刷新
を考えました。
1.○○○○(勤務先) 海洋生態学(中四国では沿岸部と瀬戸内海全般)今度で2
期目
2.○○○○(勤務先) 草地生態(半自然草地の保護は急務)中国山地、特に秋
吉
台。新規
また、本人がよいと思われることは植物全体に明るいこと、博物館勤務で、博物
館は生態学会の新たな拠点
になるからです。
安渓さんは就任年数が長いのと、今の時勢では原発の新たな建設はほとんど可
能性がなく、彼のミッションは終
了したものと思われるからです。
では、よろしく。
○○学会中国四国地区会長 署名」
安渓が原発のことしかしていないという誤解と、原発の新たな建設はほとんど可能
性がないという判断は、根拠がわかりません。それと、専門別の委員は全国区で選出
されていて、地区選出委員は、専門にかたよらず、担当地区のどこからでも保護案件
があれば、ニュースをキャッチして動けるような体制がよいことになっているのです
が、それについて誤解があるようです。
そういえば、同じ方から、藪から棒に「あなたはすでに県幹事ではありませんので、
ご安心を」 というメールをもらったこと、それなのに、その後も一番多忙な合同学
会の時期の県
幹事の仕事も、地区会長不在で総会が流れたことのお詫びの挨拶も、やる人がいない
ために仕方なく引き受けた2年前のことを
懐かしく思い起こしました。
2010年4月15日でした。
「安渓様
1.振込みに関しては、まだ前の事務局の○○大学から書類が届いていないので、
対応できません。対応できるようになったらいたします。
2.既に山口県の幹事は○○○先生にお願いして、承諾を得ています。貴方は
すでに県幹事ではありませんので、ご安心を。
署名」
これは、前日、4月14日の 以下のメールへの返事でした。
「○○先生@○○学会中国四国地区会長
山口県委員を拝命しております、安渓遊地です。
このたびの、3学会の準備の会合に出席するために、本日山口大学にでむいて、ご
挨拶もさせていただきました。
その中で、○○学会からは、10万円の補助の支払いが約束されているという話が
出ました。地区会からの要請によって本部から支払われるということだと伺いました。
くわしい手続きの方法を知らないでいるのですが ○○先生から事務局に連絡をとっ
て振り込まれるように手配をしていただけないでしょうか。
振込先は、 ○○○○ と聞いてきました。
私は数キロ離れた県立大におりますところから、今回、山口大学の教員のみなさん
で○○学会でない方々が、すっかり○○学会の世話をしてくださっています。とくに、
○○先生にほとんどの事務的な仕事を代行していただいてしまって、はなはだ恐縮し
ているところです。
山口大学には、○○学会会員の方もおられるとのことですが、健康上の理由などで
ただちにお願いすることも難しい、ということを雑談として○○先生から聞いたりし
ました。
自然保護専門委員と県委員が兼任になっている現状は好ましくありませんので、よ
い知恵をお貸しいただければ幸いです。
要件のみにて失礼いたします。よろしくご指導ご鞭撻をたまわりますようお願いを
申し上げます。」
簡潔なメールに感動して、即座に以下のような返事を送りました。
「安渓 遊地です。
さっそくのお返事、
ありがとうございました。
たいへん安堵いたしております。」
ところが、実際は、名前をすげ替えただけで、
なり手がなくて、学会の山口県委員を安渓がやむなく兼任でお引き受けしていた時
代のトホホなエピソードでした。
過疎のせいか、引き受け手がなくて、学会の県幹事を安渓がやむなく兼任でお引き
受けしていた2年前のことです。その事務連絡をしたところ、上記のようなメールの
やりとりを地区会長(同じ方)としたことがあるのを忽然と思い出した次第でした。
この物語には続きがありそうな予感がします。
安渓遊地