放射能)野生生物が被曝しても日本の法律は知らん顔 #放射能 #野生動物 RT @tiniasobu
2011/12/16
http://ankei.jp/yuji/?n=1381
で書いたことの続きです。
上関のような生物多様性のホットスポットに原発を建てて、そこで過酷事故が起き
て多量の放射性物質が放出されたら、人間だけでなく、希少生物も大きな被害を被る
ことが想定されます。ところが、日本の法律では、それによって、例えばカンムリウ
ミスズメやカサシャミセンのような生物が被害をうけても、我関せずになっているの
です。これはなんとかしないといけない問題だと思います。
いまは、とくに「種の保存法」の改正について考えているのですが、
より新しい「生物多様性基本法」では、「環境基本法」の基本理念にのっとって、
と書いてあります。ところが、その第十三条に、放射性物質による環境汚染について
は、「原子力基本法」にゆずるとあり、そちらには、別に法を定めるとなっています。
原子力関係の法規はいっぱいあるのですが、それらの中から文部科学省が担当する「
放射線障害防止の技術的基準に関する法律」を読んでみると、「原子力災害から国民
の生命、身体及び財産を保護することを目的とする。」とあります。
絶滅のおそれのある野生生物は、法律的には(とくに天然記念物になっている野生
生物の場合は明確に)「国民の財産」にあたると考えられます。これを保護すること
は、文部科学省の仕事なのですが、実際には、放射線障害で野生生物が被害をうけて
も、現行の法律で問題になるのは、それが人間の食料となって、人間に内部被曝をひ
きおこすおそれがある場合だけです。
ですから、私が政府に勧告したい案のたたき台としては、以下のようなことがかん
がえられます。
放射性物質による環境汚染については、原子力基本法にゆだねることが環境基本法
によって定められているが、法令のさだめる基準が人間の被曝だけを対象としている
ことから、人間の食用とならない野生生物の放射線障害については、それを制限する
法令が存在しない。この現状をあらためるべく「種の保存法」さらには「環境基本法」
を改定することが必要である。
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
(平成四年六月五日法律第七十五号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H04/H04HO075.html#1000000000001000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、
自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであるこ
とにかんがみ、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自
然環境を保全し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する
ことを目的とする。
生物多様性基本法
(平成二十年六月六日法律第五十八号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H20/H20HO058.html
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、環境基本法 (平成五年法律第九十一号)の基本理念にのっと
り、生物の多様性の保全及び持続可能な利用について、基本原則を定め、並びに国、
地方公共団体、事業者、国民及び民間の団体の責務を明らかにするとともに、生物多
様性国家戦略の策定その他の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策の
基本となる事項を 定めることにより、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関
する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって豊かな生物の多様性を保全し、その恵
沢を将来にわたって享受できる自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境
の保全に寄与することを目的とする。
環境基本法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S30/S30HO186.html
(放射性物質による大気の汚染等の防止)
第十三条 放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のため
の措置については、原子力基本法 (昭和三十年法律第百八十六号)その他の関係法
律で定めるところによる。
原子力基本法
(昭和三十年十二月十九日法律第百八十六号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S30/S30HO186.html
第八章 放射線による障害の防止
(放射線による障害の防止措置)
第二十条 放射線による障害を防止し、公共の安全を確保するため、放射性物質及
び放射線発生装置に係る製造、販売、使用、測定等に対する規制その他保安及び保健
上の措置に関しては、別に法律で定める。
放射線障害防止の技術的基準に関する法律
(昭和三十三年五月二十一日法律第百六十二号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33HO162.html
(目的)
第一条 この法律は、放射線障害の防止に関する技術的基準策定上の基本方針を明
確にし、かつ、文部科学省に放射線審議会を設置することによつて、放射線障害の防
止に関する技術的基準の斉一を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「放射線」とは、アルフア線、重陽子線、陽子線、ベー
タ線、電子線、中性子線、ガンマ線、エツクス線その他電磁波又は粒子線で直接又は
間接に空気を電離する能力を有するものをいう。
(基本方針)
第三条 放射線障害の防止に関する技術的基準を策定するに当つては、放射線を発
生する物を取り扱う従業者及び一般国民の受ける放射線の線量をこれらの者に障害を
及ぼすおそれのない線量以下とすることをもつて、その基本方針としなければならな
い。
(放射線審議会の設置)
第四条 文部科学省に、放射線審議会(以下「審議会」という。)を置く。
原子力災害対策特別措置法
(平成十一年十二月十七日法律第百五十六号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO156.html
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、原子力災害の特殊性にかんがみ、原子力災害の予防に関する
原子力事業者の義務等、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等
並びに緊急事態応急対策の実施その他原子力災害に関する事項について特別の措置を
定めることにより、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (昭和
三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。)、災害対策基本法 (昭和三
十六年法律第二百二十三号)その他原子力災害の防止に関する法律と相まって、原子
力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産
を保護することを目的とする。