何を食べたらいいんですか?)セシウム汚染食品とどうつきあうかについての小出先生のお話 #セシウム #汚染食品 #小出 #genpatsu #kaminoseki RT @tiniasobu
2011/08/19
放射性セシウムとのつきあいは100年単位です。
ブログ・ぼちぼちいこか が 京大の小出裕章さんの「たねまきジャーナル」でのイ
ンタビューが音声とその書きおこしでのせてくださっています。読んでみてください。
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/2912393.html
「子供に安全な牛肉を食べさせたいと思っても、どれが安全なのかが判らないと
いう段階に近づいているのではないかと思うが?
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(小出氏)そうです。それが一番悪いこと。どの肉がどれだけ汚れているということ
をきっちりと知らせてもらわないかぎりは、選択ができない状態に私たちは追い込ま
れている。それをきっちりと知らせるという責任が国と東電にあると思う。」
まずは、牛肉の問題で伺いたい。
;放射性セシウムを含むわらを与えられた福
島県の食肉用の牛が全国各地に流通していたというニュースがあった。この流通して
いた牛肉のうち、多くが兵庫県に肉牛が出荷されていたという話がでてきた。これは
東京に次いで多いということで、恐らくこのたねまきジャーナルを聞いてくれている
方の多くの方も我が家はどうだろうか?という思いで心配してらっしゃると思う。こ
の事態に及んで、小出先生は、私たちはどういう風に対処すべきと思うか?
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(小出氏)私は流通すること自身は反対していない。福島県で生産される農産物、あ
るいは酪農製品も流通させろとずっと言ってきた人間。流通させることはいいことだ
と思うが、ただ知らないまま流通されてしまって、子供も含めてそれを食べてしまう
ような状況を私は一番嫌う。どれだけ汚染した牛肉がどこに流れているかをきちっと
調べる。それからやってほしいというのが私の願い。
でも、「うちの店で出している牛肉はどうやらセシウムに汚染されている」というこ
とを、店が開示した時それを消費者は買うか?
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(小出氏)買わないでしょうね。
ね?買わないんじゃないかと思う。たとえ、大人だけの家庭であっても、なかなか手
を出す気にならないのではないかと?
;
(小出氏)多分そうだろうと思うが、でも私は皆さんに知ってほしい。3月11日を境
に世界は変わってしまった。私たちはこれから日本という国をどのように作っていき
たいかということを考えたら、私はやはり1次産業を支えたいと思うし、子供は汚染
の食品を食べさせたくないと思うので、原子力をここまで許してきてしまった大人、
放射能の汚染を許した大人がどうすべきなのかということを、皆さんに考えてほしい
と思うし、考えるための条件、どれがどれだけ汚れているということを、日本の国と
東電にきちっと表示させるようにしたいというのが私の願い。
ただ、大人は、これから先ずっとこうした形で汚染された食品を食べ続けて大丈夫な
んですか?一時のことではないのでは?
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(小出氏)大丈夫じゃない。被曝というのは必ず危険。被曝に関して「大丈夫、安全」
という言葉は使ってはいけない。だから私は大人に食べてくださいと言っているが、
大人の人にとっても大丈夫な被曝はないし、安全な被曝もない。世界が変わってしまっ
た以上、それを引き受けるしかないと私は思っている。
たとえば、消費者としては、これくらいの放射能物質であれば、まぁ健康に大きな被
害はでないだろうと、長期的な見通しを科学的に示されたら、ある程度の安心が得ら
れて、そうした食品にも手を出そうと思うかもしれない。その長期的な実証というか
データはあるか?

;(小出氏)はい。私の信用している長期的なデータは、もちろんある。1mSV
という被曝をしたときに、全年齢の平均で言えば、1万人に4人がガンで死ぬ。ただし、
50歳を過ぎたような大人であれば、それは100分の1くらいになる。だから100万人に4
人というくらいしか死ななくなるわけだから、そのくらいの危険はせいぜい引き受け
るべきだし、それが10mSVになったところで、10万人に4人だから、せめてそのくらい
のことを引き受けながら、これからの日本という国を少しでもマシな国にするという
くらいの責任を負ってほしいと私は思う。
でも、今や逆に言うと、子供に安全な牛肉を食べさせたいと思っても、どれが安全な
のかが判らないという段階に近づいているのではないかと思うが?
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(小出氏)そうです。それが一番悪いこと。どの肉がどれだけ汚れているということ
をきっちりと知らせてもらわないかぎりは、選択ができない状態に私たちは追い込ま
れている。それをきっちりと知らせるという責任が国と東電にあると思う。
また福島県の牛が出荷停止になるようだが、これは福島県だけの問題?
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(小出氏)違う。要するに汚染というのは、連続的にある。だから国が決めた1kgあ
たり500ベクレルという基準をもちろん超えている牛も居るし、ちょっと下回ってい
る牛もいる。皆連続的に汚染があるし、連続的に危険が存在している。そのどこかの
基準を超えたら危険で、その基準を下回っていれば安全なんていうことはもともと無
い。福島県であろうと、宮城、茨城、或いはもっと離れたところでも、ホットスポッ
トというところに位置してしまえば、皆汚れている。程度の高い・低い汚染として連
続的に繋がっていく。
(近藤氏)先生、今たまたま牛肉の話になっているが、例えば、3月11日以降、戸外
で放置していた食品は結構あると思う。例えば大根なんかを干しているその軒下とか、
さまざま考えられるが、この辺なんかも当然計測は必要だろうし、出荷時の情報も大
事になってくると思うが、あまり政府や自治体はやってないですよね?
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(小出氏)もちろん皆そんなこと見たくもない。政府のほうは、なるべく安全だと言
うことを宣伝したいわけだから、積極的にやらないで今日まできた。でも、もちろん
乾燥させたような大根もそうだし、お茶なんてものは、ものすごい高濃度にどこでも
汚れてしまっている。それをちゃんと消費者の国民ひとりひとりにわかるように表示
させるシステムを作るということが私は一番大切なことだと思う。
(近藤氏)また牛に戻るが、所謂えさで除染をすることが、チェルノブイリの事故で
研究された、実際にやっているらしいが、先生はそういうことを聞いたことがあるか?

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(小出氏)もちろん。プルシアンブルー(←群青)というのがあるが、
プルシアンブルー?
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(小出氏)はい。でも、それで防げるというのは多分わずかだろうと思う。汚染して
いるところのわらとかを食べさせないことができるのであれば、それはそれなりの効
果がある。しかし、いわゆる自然のサイクルの中で酪農なら酪農の営みをしてきたわ
けだから、いきなり全部のわらを捨ててしまえと言われても、なかなかできないだろ
うし、捨てたところで放射能が無くなるわけではないから、またどこかで汚染が広がっ
てしまうということになる。
今回、爆発した時に大量の放射性物質が空中にでて、それで汚染されたわらをエサと
して食べた牛が問題になっているわけだが、これかれはこうしたセシウムが検出され
るような牛肉というのは、これから出ないということ?
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(小出氏)えーっと、その当時3月の中ごろから末にかけて、大量の放射能がでてそ
こら中汚れたわけだが、それはもちろんわらも汚れた。わらを食べた牛が今汚れてい
る。では、わらだけが汚れたのかというと、そうではなくて、大地そのものが汚れて
しまった。これからは大地でその後野菜が汚れてくるということになる。それを食べ
る家畜ももちろんまた汚れてくる。
と、いうことは、セシウムからもう完全に開放されることは相当な時期無いのか?&#
8232;
(小出氏)そう。これから100年という単位でない。
はぁー。その濃度の多少はあれ、ずっとセシウムに汚染されたものを私たちは摂取す
る以外もうない?

;(小出氏)そうです。日本の国が基準を決めて、基準を超えない限り安全だ
という風に日本の国は思わせようとしているわけだが、そんなことはもちろん無い。
基準を下回ったところで、危険はずっと付きまとってくる。それは、私は子供には負
わせたくないので、汚染の仕分けをして、大人が引き受け、子供にはなるべく汚染が
少ないものを与えるというシステム作りを私はしたい。
例えば、子供のための食品の基準値を新たに設けるというようなアイデアは?

;(小出氏)基準値というのは、多分決められない。基準値を決めてしまうと、
これより上は危険だが、これより下は安全ということになってしまうので、何度も私、
これも聞いてもらったと思うが、映画で18禁というものがあるように、食べ物に関し
てこれからは、60禁、50禁、40禁、30禁、20禁、10禁というふうに、仕方が無いので
なるべく汚染の少ないものが子供にまわるように、そういうシステムを作る以外にな
いと思う。
ありがとうございました。
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;【以上】
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