現場の声)「私が原発業界を抜けたわけ」という話をアフリカで聞いた(再掲) RT @tiniasobu #genpatsu #fukushima #hitachi
2011/03/27
以前に http://ankei.jp/yuji/?n=1114 に書いたのですが、
twitter でつぶやいたところ、リツイートしてくれた人たちのつぶやきが、すべて消
えるという経験をしました。こんどはどうかな?
名前を出さない聞き書きだったので、デマ扱いされたのでしょうか。
メモをとらずに、あとから書き起こしたものなので、
あやふやなところがありました。Aさんが設計にたずさわった1970年代には、まだ福
島第二原発はできていませんので、原文にF島第二とあるのは、福島第一に書き直す
べきでしょう。
2011年3月24日にネット上の現れた情報と対応するものだとおもいます。
安渓遊地
聞き書き
世界を旅していると、いろいろな人に出会います。ほかでは聞くことのできない目
が点になるような話に出会うこともありますが、現場の声はいつも説得力があるもの
です。
「旅する耳」安渓遊地が、アフリカの旅で日本人Aさんから聞いた言葉から。
――アフリカで仕事をされる以前は何をしておられたんですか?
実は、私は、原子力産業で働いていました。炉心部分の基本設計をしていた
んです。
でも、私が設計にたずさわった1970年代には、耐震設計は、水平方向のX軸とY
軸だけを考慮していて、上下方向のZ軸については、そもそも考慮していませんでし
た。
――ということは、もしも直下型の地震があって上下方向に動くことがあったら?
やばいですね。
――ええ!?やばいんですか? それが今も稼働している!?
はい。それから、立場上いろんなファイルを見ることがありましたが、その中
に福島第一原子力発電所に納める圧力容器、原子炉を格納する一番大切な鋼鉄の巨大
な容器、これを船から海に落としてしまった、ということが書かれていました。何百
トンもあるものを引き上げてみたら、まん丸でなくて歪んでしまっていたんです。で
も、作り直していたのでは納期に間に合わないし、会社に莫大な損失が出ます。それ
で仕方なく、中に大型ジャッキを入れて歪みをなおしたという内容でした。
――そ、それって、やばくないですか? 設計の強度がたもてますか
うーん、やばいですね。
――それを政府は見過ごしてしまったんですか?
そのあとしばらく、この圧力容器を納入した業者には、通産省は原発関係の入
札をさせませんでした。
――それだけですか?
それだけです。
――なんか納得がいきませんね。
はい。いろいろ納得の行かないことがあるなかで、ある日のこと、私はまだ
稼働してい
ない原子炉の中に入って、暗い迷路のような原子炉の中で迷って出られなくなってし
まったんです。手探りで出口を探しながら、
「出口がない、出 口 が な い、出 口 が な い !!」
私は原子炉の中でパニックを起こしてしまいました。それがきっかけであの仕事を
やめたんで
す。
――あなたが設計された原子炉たちは、大丈夫なんでしょうか。
さっきも申し上げたように、やばいんです。出口がないんです。だからぼくは
出口を求めてアフリカにきているんじゃないですか。
……(絶句)
追記
以下の記事と対比させてみると、
落としたのは、圧力容器そのものではなく、中に入れていた留め金ということだっ
たのでは、と思われます。別の「事象」でなかったことを祈りつつ。
Fukushima Engineer Says He Helped Cover Up Flaw at Dai-Ichi Reactor No. 4
http://www.bloomberg.com/news/2011-03-23/fukushima-engineer-says-he-covered-up-flaw-at-shut-reactor.html
抄訳が以下にあります。
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2011/03/post-b9b1.html
〔★★★★★ 原発NEWS〕
「4号機の圧力容器の鋼鉄に欠陥」 製造過程で「歪み」 上司が隠蔽指示 日本
人エンジニアが20年以上前に告発
ブルームバーグは、元「日立」合弁会社の日本人エンジニアが、自身がかかわった「4号機」の格納容器の鋼鉄に欠陥がある恐れがあると言明していることを明らかにした。⇒ http://www.bloomberg.com/news/2011-03-23/fukushima-engineer-says-he-covered-up-flaw-at-shut-reactor.html
日本人エンジニア(タカナ・ミツヒコ=田中三彦氏)は、作業に従事していた19
74年の時点において、自ら「製造欠陥(a manufacturing defect )」隠しに関与
したことを認めているという。
「4号機」を日本人エンジニアは「時限爆弾」だと指摘している。
田中氏によると、「4号機」の圧力容器は「バブコック日立」社の呉工場(鋳造所)
での製造最終工程で損傷した。
圧力容器(格納容器 直径6メートル、高さ20メートル))を大型溶鉱炉に中に
据え、「溶接によるストレス(welding stress)」を最終的な仕上げの作業で損傷し
た。
仕上げの処理は、圧力容器の鉄鋼を600度以上に熱し、やわらかにするものだっ
た。
圧力容器を炉に内部に送り込む最中、圧力容器を内側から支えてた留め金(brace)
がそのまま放置されたか(内部で)落下した。
そのまま溶鉱炉への送風が行われ(熱処理が行われ)たが、作業後、冷却した圧力
容器を調べたところ、鉄鋼の側壁が歪んでいるのが確認された。
この結果、圧力容器の高さと直径に3センチ4ミリ以上の歪みが出た。
これは原子力の規制で、廃棄処分にしなければならない欠陥だった。田中氏の上司
は氏に誰にも気付かれないよう形を整える(reshape)よう命じた――という。
Tanaka says the reactor pressure vessel inside Fukushima’s unit No. 4 was
damaged at a Babcock-Hitachi foundry in Kure City, in Hiroshima prefecture,
during the last step of a manufacturing process that took 2 1/2 years and c
ost tens of millions of dollars. If the mistake had been discovered, the com
pany might have been bankrupted, he said.
Inside a blast furnace the size of a small airplane hanger the reactor pre
ssure vessel was being treated one last time to remove welding stress. The c
ylinder, 20 meters tall and 6 meters in diameter, was heated to more than 60
0 degrees Celsius (1,112 degrees Fahrenheit), a temperature that softens met
al.
Braces that were supposed to have been placed inside during the blasting w
ere either forgotten or fell over when the cylinder was wheeled into the fur
nace. After the vessel cooled, workers found that its walls had warped, Tana
ka said.
The vessel had sagged so that its height and width differed by more than 3
4 millimeters, meaning it should have been scrapped, according to nuclear re
gulations. Rather than sacrifice years of work and risk the company’s survi
val, Tanaka’s boss asked him to reshape the vessel so that no-one would kno
w it had ever been damaged.
田中氏は、日立はこの製造に2年半を数十万ドルを投入しており、欠陥が明らかに
なっていたら、会社は破産していたかも知れない、と語った。
田中氏はこの問題を岩波新書をすでに詳しく書いており、その結果、1988年に
は通産省が関心を示していたという。
この問題について「日立」のスポークスマンは、田中氏が修繕しおうとした格納容
器の鋼鉄の「へこみ(dent)」について同氏と議論し、(日立として)何の問題もな
いと結論付けたと言っている。
しかし同スポークスマンはそれ(1988年の議論)以来、日立としの見解の見直
しをかけていないことも認めた。
大沼 : 田中氏は「チェルノブイリ」の惨事を見て、原発エンジニアとしてのキャ
リアを投げ打ち、警告を鳴らし続けてきた人だ。
氏の捨て身の警告に耳を傾けておくべきだった。
Posted by 大沼安史 at 11:35 午前 4.ミニNEWS | Permalink
以上引用終わり