わが師)伊谷純一郎先生が自分流のフィールドワークを語る手紙
2010/06/24
山口県立大学国際文化学部には『フィールドワーク実践論』という授業があります。5人の教員が入れ替わり立ち替わり話すというもので、今年はずいぶん熱い感じになってきています。http://ankei.jp/yuji/?n=1041
担当がまわってきました。今日は国内編、来週は海外編。貴子と二人でやってみようか、と思います。
その中で、二人で2000年に出版した忘れられた本『島からのことづて』(葦書房)をお送りしたときの、恩師・伊谷純一郎先生からのお礼状(二〇〇〇年五月四日)を紹介しようと思いつきました。
いつも論文を添削して、意味の通る文章にしてくださった、懐かしい字です。
2頁目。
最初の鹿ノ川(西表島の廃村)を思うとよくぞまあテンベヤしたものだと思
います。
のテンベヤは、スワヒリ語の tembea で、直接的には「歩く」という意味ですが、和崎洋一さん(NHKブックス『スワヒリの世界にて』)は、そこにより深い意味を見つけておられました。
3-4頁目。
私の一番身に合ったフィールド・ワークというのは、新しい土地を電光石火の
ように訪ね歩くことと、地元民の中に融け込んで、ともに生き、あらためて聞きとり
などということを意識せずにすごすことですが、年をとってどちらも出来なくなりま
した。
5頁目。
御本のあちらこちらに、純心な若者をそそのかした無責任な師匠が登場し、い
ささか恥いっております。
ケニアにおいでのよし、どうかよい旅でありますようお祈りしています。お礼まで。
敬具
対談)伊谷純一郎先生が導いて下さったフィールドワーク人生
http://ankei.jp/yuji/?n=117 から http://ankei.jp/yuji/?n=124 まで
追悼)西表島での伊谷先生語録
http://ankei.jp/yuji/?n=8
書評)安渓遊地・安渓貴子著『島からのことづて』by Shuuji
http://ankei.jp/yuji/?n=792