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ある国際電話の記録(2005年8月末)

2006/07/13(木)



記録)2005年8月31日の国際電話の記録に見る処分場計画の進め方

 半年ぐらい仕事でヨーロッパに行っていて、何もしらなかった村人Aが、同じ村の長老Yにかけた電話の記録が出てきました。古文書としてなかなか興味深いので、掲載しておきましょう。 
 

 A「夜分済みません、長く留守をしてご迷惑をおかけしてますが、なんでも廃棄物処分場の話があるそうで」
 Y「はあ、その話は電話ではとても話し切れません」

 A「……。今後、どういう段取りで進められますか?」
 Y「もう1週間ほどのうちには決めてしまおうという所へきています。これはね、これまでの処分場とは全くちがうもので、宮野へ中間処理場をおいてきれいにしたものをもってきて、しかもそこから出る水はみなきれいに処理せて、国の一番きびしい規準よりもいい水にしてだすから、集落排水から出る水よりは良い物になるということで、それなら反対する理由はなかろう、どうせみんながだすゴミのことで、『私のところはいやであります』とみなが言うておっては、結局どうにもならんようになることじゃから。部落の者に話したところ、若いものが積極的で、一部の年寄りが気分的にすっきりせん、というような反応じゃったから、やろうじゃないか、ということになりました。まあ、共産党が反対じゃちゅうて混ぜくっとる程度のことです。」

 A「国の規準とおっしゃいますけれど、東京の日の出町の処分場の例では、排水の水質調査の結果を都が明かにしないんで、裁判になって最高裁まで行って……」
 Y「最高裁といえば、そりゃあ相当時間がかかっちょるじゃろう、今山口市が作ろうとしているのは、岩国のものをもっと進めた最新鋭のものじゃ、あんたのいうような話とは比べものにならん。」

 A「言いかけたことですから、最後まで言わしてもらいますが、現在の話ですよ、水質の情報を開示しないのなら、処分場組合は毎日100万円以上払えということで、払い続けているような状況です。(*注)」
 Y「あんたは反対かの?」

 A「反対も賛成もなにも、判断できる材料をもっていません。場所も知らんのですよ。」
 Y「たとえ反対でも、部落で決めたことには従うてもらわんといかん。勝手に外国やらへ行っておらん人に、わざわざ知らせるようなわけにもいかんじゃろう。それに集まりには息子さんも出ておることじゃし。」

 A「あの子が、『うちは賛成であります』とか『反対であります』とか責任をもって言えるわけはないじゃありませんか……。それと、源流を守る会との関係はどうなりますか」
 Y「いや、その人たちが中心になって、ぜひやろうじゃないか、ということでまとまっちょるわけ」

 A「募金を集めた側はいいんです。源流を守るための募金に協力した下さった人たちが充分納得されるような説明ができればそれでいいと思います。」
 Y「はあ、そねな1万人もの人たちに、いちいちこれでよろしゅうございますかというて聞いて回るわけにはいかんでしょうが。」

 A「はあ……。どうも、夜分失礼しました。」


*注(homepage2.nifty.com/jnep/jp52.htm  からの引用)

 処分組合は、汚水漏れがわかると計画中の第二処分場建設計画に支障が起こることを 恐れてか、水質データの開示を求めた裁判所の命令さえ、2年間に1億9000万円に上る 制裁金を支払って拒否し、世間の失笑を買ったことさえあります。





ふしの川清流の会