2006/05/10(水)
山口市経済部林務水産課に問い合わせましたところ,仁保地区において,ことしも5月23日から26日(1回目)および6月13日から15日(2回目)に松枯れ防除と称して,有機リン系のスミパイン農薬(主成分は,MEP,別名フェニトロチオン,商品名スミチオン)を空中散布するとのことです。
これほど松枯れが拡大して近年はその勢いがさらに激しい現状をみれば,空中散布は効果がないと思われます。むしろ,水質汚染,天敵の減少,農産物への飛散,人体へのアレルギー反応などの害ばかりが発生することとなります。
そこで,われわれふしの川清流の会は,本日5月10日の11時に山口市経済部林務水産課長に松枯れ対策空中散布中止の要望書を手渡し,口頭で理解をもとめました。14日以内に文書で回答するとのことでした。回答書は追って本ページで公開いたします。以下は要望書の内容です。
山口市経済部長 武波哲雄 様 2006年5月10日
林務水産課長 古川洋二 様
ふしの川清流の会
共同代表 水津弘美 岩田 進
山口市仁保地区における松枯れの空中散布の中止についての要望書
山口市における林業の振興のための日頃のご努力に敬意を表します。
さて,仁保地区では長年にわたって「松食い虫防除のための空中散布事業」が実施されてまいりました。現在は,被害木へのスポット散布が行われています。しかし,ここ数年,仁保地区では,枯死する松が激増し,スポット的に薬剤を空中散布することでは,松枯れの進行を止めることが不可能になったと判断せざるを得ない状況です。昨年来より伐倒駆除事業もほとんど実施できない場所が増えており,まさに焼け石に水の状態にあります。
われわれは,ふしの川の流域の水質の保全や生活環境の向上のために汗を流すことを目標にする「ふしの川清流の会」の会員です。仁保自治会の会員として,自治会の事業にも積極的に協力しています。しかし,空中散布事業の実施にあたっては,一方的な実施の通告を受け取るばかりで,実施の是非や必要性についての意見を聴取された記憶がございません。
有機リン系の農薬であるスミパインが及ぼすふしの川流域の生態系への影響などを考慮すれば,いまや空中散布は,その害の方が事業のもたらす益を上まわってしまったと考えざるをえません。
このような税金の無駄遣いともいえる事業を惰性で継続されることのないよう,今年の空中散布については中止され,来年度以降もその必要性について,効果,安全面,経費の面から多角的に検討され,市民の納得のいく説明をされることを強く要望いたします。
質問1:過去の空中散布に関する松枯れ対策の効果の検討資料を示していただきたい。
質問2:散布による水質および生物相への影響評価資料を示していただきたい。
質問3:過去の散布に要した費用と今回の散布費用およびこれら予算計上上の説明資料を開示していただきたい。
質問4:次の項目について変更の理由をご説明願いたい。
① 全面散布からスポット散布に切り替えたこと
② 薬剤の変更(NACの使用中止)
③ 仁保下郷丸山地区の散布を止めたこと(平成13年度まで散布)