2006/04/09(日)
〈座談会〉百聞は一見にしかず――秋穂二島の塩田跡をたずねて
2006年1月28日、ふしの川清流の会では、旧山口市が一般ゴミの最終処分場用地として購入した秋穂二島の塩田あとを参加者15人で二時間ほどかけて詳しく見学しました。案内と説明のため市の環境部の渡辺課長(当時)と山根主幹が来てくださいました。
現地には、埋め立てが終わった産業廃棄物処分場と一般廃棄物処分場のとなりに、驚くほど広い七ヘクタールという用地があって、コンクリートのりっぱな護岸工事もされていました。
仁保で環境部による説明を聞いていた範囲では、秋穂二島を候補地としてあきらめた理由は「こまかく砕いて鉄とアルミを取り除くという中間処理をする新しいシステムではごみのかさが減るので、百年でも使うようになるので大きすぎて困る」「周辺の農地に塩害が出る恐れがある」「軟弱地盤の整備に余分な経費が数十億円もかかるだろう」といったことでした。
ところが、実際に現場を見ながら担当者に尋ねてみると、どうもいずれもそれほどの根拠のある説明と思えなくなりました。百聞は一見にしかず。この問題に関心を持たれる方は、山口市が経費を負担して見学を勧める岩国市の日の出処分場だけではなく、その他の処分場や候補地なども見学することが大切だな、と感じました。なお、今回の見学の経費はすべて自分持ちでした。
以下は、参加した人々の座談会からの抜粋です。
A 行ってみたらものすごい広い所で、仁保のような山の中の狭い所とは大違い。
B 産廃のあとはきれいに埋め立てて、花火の時の駐車場になっている。
C 面積が大きすぎるというなら一部分を使えばええだけのこと。モデルケースとして、小区画で五年分でもやってみて、こんなにすばらしい安全なものだ、ということをみなに示すようなことはできないか、と課長さんにいいましたが返事がありません。
D 夏場に塩害が出て近くの田が作れない、という説明は聞いたけれど、それと処分場の関係については、ひとつもしゃんとした説明がなかったいの。
E 地盤改良に数十億円かかる、というけれど、それを立証する計画平面図や断面図はあるのか、というたらそれはまだないということで、現実の根拠のない数字だった。
A 地元の農業者とも話したけれど、結局、市として二島の住民への説明と説得の努力をしたようすがほとんどない。
C 防波堤の裏ののり面が土だったから、台風の高波で崩れた。それで住民が心配になって反対の声をあげた、というのが真相のようだった。防波堤はきちんとしてりっぱになっていた。その修復したあとの説明を住民にしてないようやった。
B 二島での説明も弁解もしていなくて、高潮で頭を叩かれて、環境部はすっかりしょげているという印象。
C 将来の安全性も含めて、二島の人たちにも仁保の人たちにも納得のいく説明をしてもらう必要があると思います。
A 議会に傍聴に行った時、あれだけの場所が遊んでいるということを知らない議員がいたことに驚いた。
D 今後も、あちこち見学にいって、実情をみんなに知らせていきましょうや。各地の現状をお互いによく知り、知らせていくこと。それがこの会の役割の一つになるやろうね。