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2003年)発足10年を期に「中・長期の活動目標」を設定しました

2006/07/05(水)



 山口環保研の目指す中・長期の活動目標

         (2003年3月第12回フォーラムにおける総会で決定)

 1992年11月に結成された山口県環境保全型農業推進研究会(略称山口環保研)は合鴨稲作の普及推進から出発して環境・食・農を守る多面的な活動を10年間続けてきました。

 生命をはぐくみ健康を守る食、本物の健全な農を確立することは、そのまま豊かな自然を次世代へ渡していくこととなります。

 そのために環境保全型農業の仲間をふやし、無農薬・無化学肥料栽培の農法技術の研修・普及を進めていかねばなりません。

 そのために山口環保研として次のような幾つかの中・長期的活動目標を提起することとしました。


 県民の健康を守る農業を

 山口県の国民健康保険被保険者一人当りの医療費は過去10数年にわたって日本全国の上位三位以内という高さにあります。

 医療費の高さはいろいろの要因がありますが、我々が重視するのは世界最高の農薬多使用であるといわれる日本で、山口県の農薬使用量はさらに高位であるといわれていることです。

 山口県の農業生産者の誇りと気概にかけて、山口県の農業を、県民の健康を守る農業へ、自然・環境を守る農業へ変えていこうと呼び掛けます。

 いま山口県では我々環保研が提起しなければ、このことについて他に誰も提起する人がいないのが現状なのです。


 環境保全型農業の波を作るためのブロック活動の強化を

 環境保全型農業の仲間をふやしていくために頑張ってきました。いま会員は8人から出発して170人前後までになりました。しかし県内全体から見れば点のような存在です。

 我々の力だけでは山口県の農業を変えていく力にはなりません。大きい波を作っていくためには行政や他の団体との共同が必要です。とりわけ県機関との協力・共同が必要と考えました。

 一昨年年末には県農林部と話合いを、昨年末には県総合政策局長との協議の場で、県機関とくに農業改良普及員・研究普及機関(農事試験場・農業大学校など)での環境保全型農業への研究・普及への取組みと我々との関係強化を要請しました。

 この県機関との相互協力関係を進めていくためには、地域における我々の活動が大きくなる必要があります。そのためには地域ブロックでの仲間づくり、多角的な活動を重ねていかねばなりません。

 県内各地域ブロックでの独自性のある創造的な活動が望まれます。


 日本の伝統的食文化を守る「身土不二」「地産地消」を学校給食とかかわって考えていこう

 「身土不二」「地産地消」は、日本の伝統的食文化に回帰することです。

 日本の気侯・風土から生まれた伝統的食文化は日本人をつくってきましたし日本での健康を考える原点の一つです、

 いま日本の食生活は豊かと云えるでしょう。飽食とも云われます。しかし健康な食生活であることには疑問が残ります。国全体の医療費は必ず前年を上回り、「日本人一億半病人」という言葉すらあります。

 健康の基本となる「食」を生産している我々農業者はあるべき食文化を関連して考えていきましょう。その重要な一つとして学校給食も中・長期的活動目標として提起をはじめていきます。

 戦後すぐの学校給食の意義はともかく、現在の学校給食の教育的意義を明確に説明できる人は少ないでしょう。

 学校給食の基本となる栄養学は欧米の模倣で、日本の伝統的食文化の理論ではないのです。乾燥地帝のアメリカ・ヨーロッパの穀物である小麦のパンを主食に肉・乳製品・脂肪・糖分が副食の欧米食と、米麦などに味噌・醤油に野菜・海草に少しの魚肉という日本の伝統的食文化とは「成人病食」と「健康食」くらい根本的に違います。

 学校給食にパン食はいりません。完全米飯給食が子供の健康を守ります。

 いまの無国籍的な学校給食の献立を、伝統的食文化の献立に帰すことが子供の健康にとっても大切なのです。同じアメリカ文化の影響下にある韓国の人達が自分たちの食文化を守っていることは考えさせられることです。

 学校給食を日本の伝統的食文化を継承していく場として構成するならば今日的な存在価値・教育的意義があるのではないでしょうか。

 そのような学校給食は即地産地消と直結することになります。

 「日本の伝統的食文化を守ること」と「日本の農業を守ること」それは、我々の健康を守ること」と同じ軌跡にあります。日本の将来をになう子供たちの健康そして生き方として学校給食の在り方がかかわってくる問題として提起しなければならないと考えています。


 多面的な仲間と提携を

 いまや山を守り、海を守り、食を守り、健康を守り、ゴミの資源化で環境を守ろうとするなど多くのサークルがあります。環境保全型農業はその多くの仲間たちとともに行動することで活動を幅広くし、より大きい成果をあげることが可能となるでしょう。

 今後は多くの仲間と共同した活動を目指していきましょう。





山口環境保全型農業推進研究会